利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.22】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23NU0047

利用課題名 / Title

高度な電子ビーム生成技術の確立およびその応用に向けた研究

利用した実施機関 / Support Institute

名古屋大学 / Nagoya Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

準結晶、鉱物、パターン加工,電子顕微鏡/ Electronic microscope,集束イオンビーム/ Focused ion beam,ナノシート/ Nanosheet


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

齋藤 晃

所属名 / Affiliation

名古屋大学大学院工学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

石井陽稀,大原康太郎,石田高史,桑原真人

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NU-102:高分解能電子状態計測走査透過型電子顕微鏡システム
NU-103:高分解能透過電子顕微鏡システム
NU-105:バイオ/無機材料用高速FIB-SEMシステム


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

電子線の空間や時間構造の制御により新たな電子線イメージングが実現しつつある。本研究では上記の応用を見据えて名古屋大学超高圧電子顕微鏡施設に設置された装置を使用し、電子顕微鏡用試料の作製と透過電子顕微鏡の観察をした。本年度は主に①準結晶試料の透過電子顕微鏡での観察、②集束イオンビーム装置による鉱物の断面試料の作製と透過電子顕微鏡を用いた構造評価、③集束イオンビーム装置によるバイナリマスクの作製を行った。

実験 / Experimental

①準結晶試料の透過電子顕微鏡(TEM)での観察 準結晶試料はAu49Al34Yb17であり、TEM用試料は乳鉢で粉砕した後アルコール中に溶かし、その液体をマイクログリットに適量滴下することで作製した。TEM試料は電界放出型電子銃を搭載した透過電子顕微鏡(JEM-ARM200F Cold)を使用して観察した。 ②集束イオンビーム装置による鉱物の断面試料の作製と透過電子顕微鏡を用いた構造評価 試料はアンチゴライトと呼ばれる層状の鉱物である。本試料は集束イオンビーム加工装置(NX-5000, FB-2100)を用いてTEM用のサンプルを作製し、TEMにより構造を評価した。 ③集束イオンビーム装置によるバイナリマスクの作製 SOIピクセル検出器の動作テストのために厚さ10μmのモリブデン箔にパターン加工を集束イオンビーム加工装置により行った。

結果と考察 / Results and Discussion

①準結晶試料の透過電子顕微鏡(TEM)での観察 図1にAu49Al34Yb17の回折図形を示す。結晶では許されない回転対称性を有しており、準結晶であることがわかる。またこの試料は高分解能走査透過電子顕微鏡法で観察を行い、揺らぎ構造があることがわかった。
②集束イオンビーム装置による鉱物の断面試料の作製と透過電子顕微鏡を用いた構造評価 図2に集束イオンビーム加工装置により薄膜作成したアンチゴライトの走査イオン顕微鏡(SIM)像(図2(a)左)と透過電子顕微鏡により撮影した回折図形(図2(b)右)を示す。TEMで回折図形が撮影可能なまで薄片化できたことがわかる。今後、本試料の長周期構造の観察および解析を進める予定である。
③集束イオンビーム装置によるバイナリマスクの作製 図3にモリブデン箔にパターン加工した結果を示す。ビーム電流の調整により精細な「SOI」の文字をモリブデン箔に開けることができた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 Au49Al34Yb17の回折図形



図2 アンチゴライトの(a)SIM像と(b)回折図形



図3パターン加工をしたモリブデン箔のSIM像


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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