利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.22】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23NU0036

利用課題名 / Title

ヘリウム+希ガス・窒素プラズマ照射により形成されるナノ構造の詳細分析

利用した実施機関 / Support Institute

名古屋大学 / Nagoya Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

Nanostructure, Nano-tendril bundles, Plasma, Tungsten,電子顕微鏡/ Electronic microscope,集束イオンビーム/ Focused ion beam,ナノ粒子/ Nanoparticles


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

田中 宏彦

所属名 / Affiliation

名古屋大学未来材料・システム研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

梶田 信,張 容実,田端 希帆

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

山本悠太

利用形態 / Support Type

(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NU-104:直交型高速加工観察分析装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

ヘリウムプラズマに窒素、アルゴンなどの不純物ガスを添加してタングステン(W)などの高融点金属へ照射すると、Nano-tendril bundle (NTB)と呼ばれる島状のナノ構造が形成されることが分かっている。本研究では、近年新たに形成が確認された、棒状突起構造の諸特性について、昨年度に引き続き調査を行った。 棒状突起構造の形態は添加する不純物種に依存し、窒素(N2)添加時は数マイクロメートル高さの突起構造が多数形成される。昨年度の電子線後方散乱回折法(EBSD)による測定では、比較的小さな突起構造の断面について、内部に単一の結晶方位を持つことが示された。今年度はより高さの高い典型的な突起構造についても同様の特徴をもつか調査を行った。結果として、単一の構造内に複数の結晶方位を有することがわかり、W原子の表面拡散が形成に寄与している可能性が示された。

実験 / Experimental

直線型プラズマ装置NAGDIS-IIを用いて、HeとN2の混合プラズマ照射実験を行った。W表面に形成された棒状突起構造を走査型電子顕微鏡(SEM)及び共焦点レーザ顕微鏡を用いて観察した。さらに、典型的な突起構造の断面の結晶方位を直交配置型高速加工観察分析装置(MI4000L : NU-103)に付属しているEBSDにより測定した。

結果と考察 / Results and Discussion

図1(a)は突起構造の断面を示すFIB-SEM像である。突起構造の高さは~3 μmである。図1(b)は同突起構造のEBSD測定結果である。構造内には複数の結晶方位が存在していることがわかる。このことから、W原子(adatom)の表面拡散が突起構造の形成に寄与することが示唆された。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 突起構造断面の(a)SEM像および(b)結晶方位


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Rongshi Zhang, Field emission properties of nano-tendril bundles formed via helium plasma exposure with various additional impurity gases, Materials Research Express, 10, 054002(2023).
    DOI: 10.1088/2053-1591/acd1d4
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. R. Zhang et. al., 30th International Symposium on Discharges and Electrical Insulation in Vacuum, Jun. 25–30 2023, Okinawa, Japan, Poster.
  2. R. Zhang et. al., Global Plasma Forum in Aomori, Oct. 15-18 2023, Aomori, Japan, Poster.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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