【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.22】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23NU0008
利用課題名 / Title
ARMを用いた半導体デバイスの故障個所の抽出・微細観察・分析手法
利用した実施機関 / Support Institute
名古屋大学 / Nagoya Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
半導体,不良解析,TEM,FIB,ナノプローブ,電子顕微鏡/ Electronic microscope,先端半導体(超高集積回路)/ Advanced Semiconductor (Very Large Scale Integration)
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
沖 朋幸
所属名 / Affiliation
株式会社ソシオネクスト
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
樋口公孝
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
NU-102:高分解能電子状態計測走査透過型電子顕微鏡システム
NU-103:高分解能透過電子顕微鏡システム
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
半導体デバイスの微細化は進み続けているが、近年はゲート周りを3次元で構成するテクノロジとなっている。
さらにロードマップでは3D構造のFinFETからGAA(Gate-All-Around)、さらにはフォーク形状のForkSheet、Cfet(Complementary FET)と続き、微細化される上に構造がより複雑になっており、その構造/薄膜に対応した観察が必要となってきている。
そこで原子レベルでの観察が可能なJEM-ARM200Fにて、どこまで観察可能であるのか調査した。
実験 / Experimental
5nmテクノロジのFinFETを用いてGate部の断面構造をJEM-ARM200FとJEM-2100F/HKとで比較を行った。
断面試料はFIB加工にて幅5nm、厚さ50nmの断面TEM試料を作製し、同じ試料を用いて両装置の比較実験を行った。
[利用装置]
・高分解能透過型電子顕微鏡システム JEM-ARM200F,JEM-2100F/HK
結果と考察 / Results and Discussion
TEM観察においては、JEM-ARM200Fの方が分解能は高いが明らかな大きな差は無いようであった。
STEM観察では収差補正付のJEM-ARM200Fでは倍率x30Mまで観察可能且つ、Si結晶では格子像及び原子配列のダンベル構造までまで観察可能であったが、JEM-2100F/HKではx1M程度までの観察しか出来ず、格子像の観察は不可であった。TEMとSTEMとを比較しても、よりSTEMの方が分解能が高いと感じる。
これまでTEM観察でのみFinFET及びGate構造、さらには原子配列が観察可能であったが、TEMでのコントラスト差では組成の違いは判別しにくく、不良で有るか否かの判断は難しいものであった。しかしJEM-ARM200Fでは高分解能でのSTEM観察によるADF像観察でのZコントラスト像が得られ、構成する組成の違いを直感的に観察でき、TEM観察では判断しにくかった薄膜の状況観察が可能になった。
JEM-ARM200FでのADF像観察により、高分解能での観察が可能となったことで、これまで気にならなかったFIB加工でのダメージ層が目立つようになっている。可能な限りFIBの最終段階では低加速にて加工しているが、低加速での弊害として焦点が合わない状態での加工となり、TEM試料として不完全なものになっている。
今後、JEM-ARM200Fのような原子分解能観察が可能な観察においてはイオンミリングなどの装置を持ちいて表層のダメージ層の除去も考える必要がある結果となった。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
本研究(の一部)は、文部科学省マテリアル先端リサーチインフラ事業課題として名古屋大学微細構造解析プラットフォームの支援を受けて実施されました。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件