利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.14】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23UT0121

利用課題名 / Title

TEMによる二次元半導体の原子レベル観察

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions

キーワード / Keywords

エレクトロデバイス/ Electronic device,電子顕微鏡/ Electronic microscope,高品質プロセス材料/技術/ High quality process materials/technique,集束イオンビーム/ Focused ion beam,エリプソメトリ/ Ellipsometry,原子薄膜/ Atomic thin film


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

南條 航平

所属名 / Affiliation

東京大学 大学院工学系研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

櫻井 治之,森田真理

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術補助/Technical Assistance(副 / Sub),機器利用/Equipment Utilization


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-303:分光エリプソメータ
UT-152:CADデータ連動3次元機能融合デバイス評価用前処理システム
UT-005:原子分解能元素マッピング構造解析装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

サファイア基板上にCVD成長させた単層WS2のWS2-サファイア界面の評価を目的としてFIBによる断面加工とTEMによる断面観察を行った。さらにCVD成長したWS2に対してALDによってa-Al2O3を成長させた。このAl2O3薄膜の厚みを図るためにエリプソメターによる厚みの計測を行った。二次元材料はダングリングボンドフリーの性質上ゲート絶縁膜などに使われる絶縁体を蒸着することが難しく、したがって均一かつ高品質な絶縁体を蒸着する方法を開発し、その成否を計測することは必要不可欠である。

実験 / Experimental

(TEM)サファイア基板上にCVDでWS2成長させる。成長させたサファイア基板上のWS2についてFIBによる断面加工を行う。加工を行った切片をTEMグリッドに接着する。こうして作成した断面観察用サンプルをTEM観察する。(エリプソメーター)ALD装置内にシリコン基板と、WS2がついたサファイア基板をともに入れる。それぞれの基板/WS2にAl2O3をALD成長させ、それぞれの薄膜付き基板をエリプソメーターで計測する。

結果と考察 / Results and Discussion

(TEM)FIB加工中の二次元材料へのダメージによりWS2の原子構造が壊れ、アモルファス化してしまった。一方で比較的構造的に強いサファイア基板については特徴的なダンベル上の原子配列を明確に観察することができた。WS2の原子レベルの観察と、サファイア基板との界面評価を達成するにはFIB加工の方法についてさらなる最適化が必要である。(エリプソメーター)Si上では容易に計測結果をモデルでフィッティングして薄膜厚みを計測することができた。しかしながらWS2上では原子一層といえどもサファイア-WS2-Al2O3間の複雑さ相互作用ゆえ計測結果のモデルフィットが難しかった。今後はフィッティングモデルを開発することに力を注ぐ必要があるだろう。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Si基板とa-Al2O3薄膜についてエリプソメーターによる偏光観測をし、フィッティングをした結果



Si基板とWS2/a-Al2O3薄膜についてエリプソメーターによる偏光観測をした結果。



STEMによるサファイア基板上WS2の断面観察。アモルファス化した球状のWS2が観察される。一方でサファイア基板は典型的なダンベル上の結晶配列が観察できる。


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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