利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.29】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23UT0008

利用課題名 / Title

多層カーボンナノチューブの分析

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion

キーワード / Keywords

CNT, カーボンナノチューブ, MWCNT, 多層カーボンナノチューブ, CVD, 製造, 量産, 低コスト化,二次電池/ Secondary battery,電子顕微鏡/ Electronic microscope,ナノチューブ/ Nanotube


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

森 彩乃

所属名 / Affiliation

株式会社カーボンフライ

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-007:高分解能分析電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

弊社はマルチウォールカーボンナノチューブ(MWCNT)の製造・研究を行っており,従来とは異なる製法によりカーボンナノチューブ(CNT)を作製する研究も行っている.今回,東京大学 マテリアル先端リサーチインフラ 微細構造解析部門 所有のUT-007 (TEM 日本電子製 JEM-2010F,加速電圧:200 kV,TEM分解能:格子像 0.10 nm) を用いて弊社製CNTの観察を行った.

実験 / Experimental

弊社にて無水エタノール中にCNTを分散させ,その液体をCuマイクログリッドに滴下し乾燥させたサンプルを東京大学 マテリアル先端リサーチインフラ 微細構造解析部門 所有のUT-007にて観察した.今回はCNTの直径,層数,アモルファスカーボンの観察を行った.

結果と考察 / Results and Discussion

弊社のCNTは熱CVD法を用いて,触媒をスパッタした基板上に成長させる方法により作製している.今回もその製法に少し工夫を加えて作製したCNTをサンプルとした. 昨年度から引き続き弊社製CNTのクオリティに影響する特徴の違いなどを観察している.弊社内でクオリティの良いもの・悪いものを選別し,それをTEM観察することで製法の改善を図っている.図1はクオリティの良いものと悪いものをそれぞれ観察した画像である.どちらともCNTの周りにアモルファスカーボンと思われる物体が付着しているが,CNT間に薄暗く写る,グリッドに付着する量の違いが見られる.このアモルファスカーボンは生成時に原料ガスがCNTにならずCNTの周りや基板などに付着したものと考えられており,この量によって長さや直線性,直径などの品質に左右すると考えられる.
図2より今回観測したCNTの直径は 品質の悪いもの:12[nm]~19[nm],品質の良いもの:18[nm]~22[nm],層数はそれぞれ7~11層,9~11層となった.従来の作製方法よりも少し直径が大きいのだが,その理由としては,先に述べたように周りについたアモルファスカーボンの影響が大きいと考えられる. この結果を受け, CVD法におけるガスや焼成温度などの各種パラメータを調整し,より良い品質のCNTを量産している. 現在,従来とは異なる新しい方法で量産の研究を行っており,その方法で作製したCNTの傾向(直径や層数,付着物や欠陥)が見てとれる程度の撮影を行い更なるレシピの改良に取り組む予定である.

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1,左:品質の良いCNTTEM画像,右:品質の悪いCNTTEM画像



図2, 上段:品質の悪いCNTの直径,層数,下段:品質の良いCNTの直径,層数


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

東京大学マテリアル先端リサーチインフラ 森山様,押川様に測定の相談や予約,事務処理,技術支援など多大なご尽力をいただきました.ここに謝意を述べさせていただきます.


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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