利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.22】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23NU0212

利用課題名 / Title

負熱膨張材料Cu1.8Zn0.2V2-xPxO7によるアルミニウムの熱膨張制御

利用した実施機関 / Support Institute

名古屋大学 / Nagoya Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

負熱膨張,アクチュエーター/ Actuator,電子顕微鏡/ Electronic microscope,先端半導体(超高集積回路)/ Advanced Semiconductor (Very Large Scale Integration)


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

竹中 康司

所属名 / Affiliation

名古屋大学大学院工学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NU-228:走査型電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

アルミニウムAl は軽量で熱伝導・電気伝導に優れているが、高い精度が要求される用途では熱膨張の大きさが問題となる。そこで、「温めると縮む」負熱膨張材を熱膨張抑制剤として活用し、Al と複合化させることで熱膨張を抑制することが考えられる。本研究では、負熱膨張材料として実用化が期待されているCu1.8Zn0.2V2-xPxO7に着目した。Cu1.8Zn0.2V2-xPxO7は、100-700 Kの幅広い温度域において-12 ppm/Kに達する大きな負の線熱膨張係数を有し、原料や作製方法が低コストで低環境負荷の新しい負熱膨張材料である。x = 1.0 のCu1.8Zn0.2VPO7について、粉末冶金の手法である放電プラズマ焼結(SPS)法を用いてAl をマトリックスとする複合材料を作製し、複合化温度と熱膨張について調べた。さらに、組織の改善を行い電気伝導の変化を調べた。

実験 / Experimental

負熱膨張材料Cu1.8Zn0.2VPO7は固相反応法で合成した。複合材料は、Al とCu1.8Zn0.2VPO7の粉末を体積比7:3 の比率で混合した後、SPS 法により作製した。試料評価として、X線回折(XRD)、走査電子顕微鏡観察(SEM)、デジタルマイクロスコープ観察、熱膨張測定ならびに電気抵抗測定を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

Cu1.8Zn0.2VPO7を体積比で30%配合することで、Al の線膨張係数(273-400 K)が24 ppm/Kから16 ppm/Kに低減できた。これは、Cu1.8Zn0.2VPO7の負熱膨張が、Al の正の熱膨張を相殺しているためと考えられる。この結果から、Cu1.8Zn0.2VPO7はAl の熱膨張抑制剤として機能していることが確認された。デジタルマイクロスコープ観察では、直径30-100 μmのクレーター状の孔が目立ち、SEM観察では、マトリックスとフィラーの不均一やフィラーの凝集が示された。組織の改善を図る必要があると考えられる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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