利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.22】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23NU0208

利用課題名 / Title

GaN-MOS界面の化学構造分析

利用した実施機関 / Support Institute

名古屋大学 / Nagoya Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

表面・界面・粒界制御/ Surface/interface/grain boundary control,X線回折/ X-ray diffraction,電子分光/ Electron spectroscopy


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

大田 晃生

所属名 / Affiliation

福岡大学 理学部 物理科学科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

牧原 克典,須山 篤志,周 子俊

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

加藤 剛志,大島 大輝

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NU-203:薄膜X線回折装置
NU-207:X線光電子分光装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

MOS(金属/絶縁膜/半導体)構造を用いたGaNパワーデバイスの特性向上・高品質化を目指して、化学溶液洗浄したGaN表面やAlSiOなどのゲート絶縁膜/GaN界面の化学結合、電子状態、結晶構造などをX戦光電子部分光法(XPS)やX線回折(XRD)を用いて評価した。

実験 / Experimental

GaN(0001)基板のGa面上にMOCVDを用いてMgドープGaN(Mg濃度1×1017cm-3および3×1018cm-3)をエピタキシャル成長した試料を、300ºCおよび500ºCで熱処理を行い、GaN表面の化学結合状態および欠陥準位密度分布を、それぞれ、単色化AlKa特性X線(1486.6 eV)を用いたXPS(X-ray Photoelectron Spectrosocoy)と、Xeアークランプと重水素ランプを用いたPYS(Total Photoelectron Yield Spectrocospy)により評価した。尚、熱処理時間は30分で一定とし、熱処理は窒素(流量1L/min)および酸素雰囲気(流量200sccm)で行った。

結果と考察 / Results and Discussion

 熱処理前後における表面形状を評価した結果、Mgドープ量の異なる試料においても、熱処理前後における表面ラフネスの変化は認められず、RMS値は~0.04nmであり、温度300および500ºC熱処理では、ガス雰囲気に依らず表面形状の平坦性は維持されることがわかった。PYSを用いて測定したMg濃度の異なるp-GaN基板の500ºC熱処理前後におけるGa2pおよびO1s内殻光電子スペクトルにおいて、Mg濃度3×1018 cm-3のp-GaN基板を熱処理した場合、Ga2p信号の高結合エネルギー側の信号強度が僅かに増加し、酸素500ºC熱処理においては、O1sの低結合エネルギー側の増加が顕著であった。これは、酸素熱処理によりGa-O結合が増大し、表面酸化膜の形成が示唆される。尚、酸素雰囲気500ºC熱処理においては、Mg濃度の違いによる顕著な変化は認められなかった。GaNおよび表面酸化膜からの光電子強度の比から形成された表面酸化膜の膜厚を算出し、熱処理温度に対してまとめた結果、酸素熱処理では、温度増大に伴い酸化膜が増加し、500ºC熱処理では~0.5nmの酸化膜が形成されもののMg濃度による顕著な違いは認められなかった。
熱処理によるGaN基板の電子占有状態の変化を評価するためにPYS測定を行った結果、Mgドープ量1×1017cm-3 では、500ºC熱処理によって、PYS信号の立ち上がりがより高エネルギー側になっていることが分かった。これはフェルミレベルが価電子帯上端に近づくことを示唆している。また、Mgドープ量に関わらず、光電子収率は300ºC熱処理により増大し、500ºC熱処理により熱処理前より低減することが分かった。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. Z. Zhou, A. Ohta, X. Tian, N. Taoka, K. Makihara, and S. Miyazaki, "Impact of O2 Annealing on Chemical States of Mg doped GaN(0001) Surface", International Conference on Solid State Devices and Materials, N-1-05 (Nagoya, Sep. 5-8, 2023).
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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