利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.22】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23BA0021

利用課題名 / Title

化合物半導体によるCbipolar回路の研究

利用した実施機関 / Support Institute

筑波大学 / Tsukuba Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

エレクトロデバイス/ Electronic device,高周波デバイス/ High frequency device


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

宮本 恭幸

所属名 / Affiliation

東京工業大学工学院電気電子系

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

末益崇 ,矢野裕司

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

BA-001:デバイスシミュレーター


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

本研究では、相補型バイポーラ(CBipolar)論理回路への応用を想定し、GaInSb PNPラテラルヘテロ接合バイポーラトランジスタの消費電力と速度を見積もった。電源電圧250 mVにおいて、電流利得は1,000以上、オン/オフ消費電力比は約180、遅延時間は2.6 psであった。しかし、300 mVを超える電圧では、深い飽和とハイレベル注入により、特性が急速に劣化する。

実験 / Experimental

計算した構造は概略図をFig. 1に示す。シミュレーションはすべてシルバコ社のアトラスを用いて行った。シミュレーションモデルとしては流体力学モデルを考慮した。垂直方向の厚さは50 nmであるが、SiO2に挟まれた空隙に水平方向に成長させると格子整合条件が緩和される可能性があるため、上面もSiO2で覆っている。InSb をベースと仮定したのは、ベースのバンドギャップが狭いほど、低電圧で大電流が得られると予想されるためである。ベース層の横方向の長さは30 nmとした。

結果と考察 / Results and Discussion

GaInSb PNPラテラルHBTの特性を計算した結果、最高コレクタ電流密度は電源電圧400 mVで4.4 MA/cm2と見積もられ、電流利得は電源電圧250 mVで1,000以上と見積もられた。得られたガンメルプロットをFig. 2に示す。また、CMOS回路の代表的な消費電力の指標であるIon/Ioff比は、電源電圧150~275 mVで100を超え、200 mVで248と最大値を示した。一方、電源電圧250 mVでは、最小遅延時間2.64 psを達成した。電源電圧と遅延時間の関係をFig. 3に示す。しかし、電源電圧をさらに上げると、深い飽和と高レベル注入による充電容量の増加により、遅延時間が悪化する。それ等の原因となっている急速に悪化する飽和時のベースコレクタ容量と飽和がおこならいオフ時のベースコレクタ容量もFig. 3に示す。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1 Schematic of the structure of PNP lateral HBT.



Fig. 2 Gummel plot and current gain. Note that the horizontal axis shows the absolute value of current because we used PNP transistors. The gray line shows the curve with n=1 as a refeFig.2 .



Fig. 3 Supply voltage dependences of CCB(VCB=V,VEB=-V),CCB(VCB=V,VEB=0), and delay time.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

本研究は、日本学術振興会科研費(助成番号JP21H01384)の助成を受けた。共同研究を行ってくれた末益崇先生に感謝します。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Yasuyuki Miyamoto, Calculation of GaInSb PNP lateral HBT for complementary bipolar logic technology, Japanese Journal of Applied Physics, 63, 03SP63(2024).
    DOI: 10.35848/1347-4065/ad2919
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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