利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.07】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23NM0081

利用課題名 / Title

酸化物粉末の物性分析

利用した実施機関 / Support Institute

物質・材料研究機構 / NIMS

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed

キーワード / Keywords

X線光電子分光(XPS(硬X線を含む))/ X-ray photoelectron spectroscopy,X線回折/ X-ray diffraction,電子分光/ Electron spectroscopy


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

加渡 幹尚

所属名 / Affiliation

トヨタ自動車株式会社

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

松下能孝

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NM-204:多目的X線回折装置_Cu_SSL
NM-202:硬X線光電子分光分析装置(HAX-PES/XPS)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

材料データの相互利用による、材料の新・多用途探索を目指している。実材料から取得したスペクトルデータ(XRD, XPSなど)を機械学習によって特徴量化し潜在空間に投影することで、材料同士の類似性を解析・可視化することができると考えている。これによって特徴の類似した材料探索が実現できれば実材料の新・多用途探索にそのまま直結する。そのコンセプト実証に向け、まず今回は、データを取得装置の違いによる影響有無を、具体的に検証した。

実験 / Experimental

15種類の同じ酸化物粉末に対して、ラウンドロビン試験のような形で、ARIM(NIMS)とトヨタ自動車(TMC)にてそれぞれXRDおよびXPSデータを取得。それらのデータを用いて、機械学習による潜在空間投影を行い、装置や分析条件の違いがどのように潜在空間上で見えるか、具体的に確認した。

結果と考察 / Results and Discussion

図1には、両者で取得したXRDデータ計30個を主成分分析で次元削減し、潜在空間に投影した結果を示す。なお、各スペクトルデータは最大強度によって規格化した後、主成分分析を行っている。図1におけるx軸とy軸はそれぞれ、1つ目と2つ目の主成分係数の値である。図1から分かるように、同じサンプルから取得したXRDデータであっても、取得機関によってx軸方向に距離が離れてプロットされる材料がいくつかあった(例えばIrO2)。それらのスペクトルを見てみると、低角の立ち上がり成分に差が大きいケースが目立った。原因を調べたところ、両者で蛍光X線モードのON/OFFに差があることが分かった(NIMSデータのみ蛍光X線モードON)。これによって、ベースラインと最大強度の強度比が変化するだけでなく、アモルファス成分に起因するような低角側の立ち上がりが明瞭にみられるかどうかも変わってくる。複数機関で取得した材料を相互利用して潜在空間を共有するには、装置にinputする2Θ範囲やstep幅のような"測定条件"だけでなく、蛍光X線モード、スリット幅やフィルタなど、種々の情報をメタデータとして紐づけておくことが重要である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 取得したXRDデータの主成分分析による解析結果


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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