【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.08】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22MS0008
利用課題名 / Title
原子間力顕微鏡を用いた潤滑油添加剤層のヤング率計測
利用した実施機関 / Support Institute
自然科学研究機構 分子科学研究所 / IMS
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies(副 / Sub)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion
キーワード / Keywords
人工光合成, 半導体光触媒, 電子励起状態, 反応中間体
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
大西 洋
所属名 / Affiliation
神戸大学大学院理学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
森口 志穂,柳澤 瞭
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
湊 丈俊
利用形態 / Support Type
(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
現在世界中で使われている潤滑油は、無極性で蒸気圧の低い炭化水素液体(ポリオレフィンなど)に微量(0.1〜1%)の長鎖脂肪酸などを加えて製造されるが、添加剤による摩擦低減の分子論的メカニズムはいまも明らかでない。微量の添加剤を加えてもバルク潤滑油の粘度は変化しない。にもかかわらず動摩擦係数が桁違いに低下する鍵は潤滑油と固体が接する界面にある。潤滑油と固体の界面に添加剤が析出して被膜を形成することが古くから想定されてきた。本研究では潤滑油界面に析出したリン酸エステル添加剤層の硬さ(ヤング率)を原子間力顕微鏡を用いて測定することをめざした。
実験 / Experimental
代表者と共同利用研究者が分子科学研究所において湊丈俊主任研究員(所内対応者)・上田正主任技術員らと協力して原子間力顕微鏡(Bruker社製Dimension icon XR NanoE)を用いてフォースカーブを測定した。AFM探針を潤滑油/鉄薄膜界面に析出した添加剤層に押し込みながら、探針を押し返そうとする弾性力を測定して作成した押し込み深さ-弾性力曲線をフォースカーブとよぶ。
結果と考察 / Results and Discussion
ポリアルファオレフィン(Figure 1a)にリン酸オレイルエステル添加剤(Figure 1b)を加えた潤滑油に鉄蒸着膜を浸漬して計測したフォースカーブをFigure 2に示す。このフォースカーブはAFM探針をとりつけた板バネ(カンチレバー)を振動させずに測定したものである。カンチレバーを振動させながら測定するフォースカーブも測定しており、両者を比較する解析を現在おこなっている。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Figure 1. Lubricant. (a) decene trimer as the major component in the poly-a-olefin (PAO) used in this study. The longest (C20) alkyl chain is depicted in the all-trans conformation. (b) orthophosphoric acid oleyl ester with n=1 or 2 (C18AP).
Figure 2. Force–distance curves observed over iron films immersed in pure PAO and PAO containing C18AP (200 ppm).
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
科学研究費_挑戦的研究(萌芽)固体に挟まれた潤滑油分子の並進運動計測:単一蛍光分子追跡(21K18935)の支援をうけて実施した。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件