利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.23】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23UT1144

利用課題名 / Title

創薬への応用に向けた低吸着性微小流体デバイスの開発
Development of a Low Adsorptive Microfluidic Device for Drug Discovery Applications

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

蒸着・成膜/ Vapor deposition/film formation,リソグラフィ/ Lithography,光リソグラフィ/ Photolithgraphy,電子線リソグラフィ/ EB lithography,ボンディング/ Bonding,流路デバイス/ Fluidec Device,光学顕微鏡/ Optical microscope,細胞培養デバイス/ Cell Culture Device


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

須山 英悟

所属名 / Affiliation

中外製薬株式会社

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

中尾達郎,西村啓吾,上川路翔悟,小阪高広

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

水島彩子,太田悦子

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-500:高速大面積電子線描画装置
UT-505:レーザー直接描画装置 DWL66+2018
UT-850:形状・膜厚・電気特性評価装置群
UT-504:光リソグラフィ装置MA-6
UT-709:パリレンコーター


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

微小流体デバイスを創薬に応用するための技術として、臓器の構造や機能を模したモデルである微小生理学システム(Microphysiological systems; MPS)が注目されている。MPSを用いることで、薬剤の活性や毒性、動態といった薬剤開発に必要な様々なビトロ評価を行うことが可能である。しかし、MPSの材質と調べる薬剤の物理化学的な性質との相性によっては、薬剤がMPSに吸着されてしまい、正しい定量結果を得られないという課題がある。本研究では、薬剤に対して低吸着性を示すMPSの開発を目指す。低吸着性を実現するための手法として、微小流体デバイスの素材としてよく用いられるpolydimethyl siloxane(PDMS)に対して、パリレン被膜を形成することで、表面の物理化学的な性質を変化させる。東京大学ARIM微細加工部門では、デバイスの加工の一部およびパリレンの蒸着を行った。

実験 / Experimental

微小流体デバイスをフォトリソグラフィ法およびソフトリソグラフィ法により作製した。まず、以下の方法でフォトマスクを作製した。クロムガラスマスクにポジ型フォトレジスト(77990G-27CP(JSR))をスピンコータ(SC-308)により塗布した。高速レーザ描画装置(DWL66+,Heidelberg Instruments社)を用いて、2D設計ソフトウェア(AutoCAD,Autodesk社)により設計した流路のデザインを光照射した。ポストベイク処理後に、ベイクレジスト除去剤(NMD-3)により洗浄し、さらにクロムエッチング液(MPM-E350)によりクロム部分をエッチングすることで、流体デバイスのパターンを有するフォトマスクを作製した。続いて、鋳型を作製した。マスクアライナ(MA6,SÜSS MicroTec社)を用いることで、作製したフォトマスクを介して、ネガ型フォトレジスト(SU-8)を塗布したSiウエハに対して光照射を行った。ポストベイク処理後に、SU-8 developerにより現像を行った。一方で、3Dプリンタ(Max X 27,Asiga社)を用いて、別個にウェルプレート形状の鋳型を作製した。作製した鋳型にPDMSを流し込み、焼結させた。PDMSで作製したウェルプレートおよびマスキングテープを貼ったシリコン基板に対して、パリレン蒸着装置(PDS2010,SCS社)を用いて被膜形成を行った。被膜形成後に、マスキングテープを剝がすことで、パリレン蒸着処理をしたシリコン基板を、レーザ顕微鏡(LEXT OLS5000,Olympus社)による被膜の厚み測定に用いた。

結果と考察 / Results and Discussion

パリレンの被膜形成を確認するため、レーザ顕微鏡を用いて膜厚を測定した。結果として、膜厚は約1 µmだった(Fig. 1)。パリレンの被膜が形成されたPDMSウェルプレートを用いて、複数種類の化合物の吸着性を調べた。結果として、1種類の化合物において、PDMSウェルプレートへの吸着が低減されることが示唆された。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1. Profile of the parylene-coated substrate (unit: mm)


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

技術相談および技術指導として多大なサポートをしてくださいました東京大学の三田吉郎様、落合幸徳様、澤村智紀様、Lebrasseur Eric様、豊倉敦様、水島彩子様、太田悦子様、三角啓様にこの場をお借りして感謝申し上げます。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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