利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.17】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23NM5371

利用課題名 / Title

m面n-GaN MOSキャパシタの作製と電気特性評価

利用した実施機関 / Support Institute

物質・材料研究機構 / NIMS

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者)/Internal Use (by ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed

キーワード / Keywords

次世代半導体、パワー半導体、誘電体/半導体界面、電力用トランジスタ、高周波トランジスタ,蒸着・成膜/ Vapor deposition/film formation,ALD,リソグラフィ/ Lithography,光リソグラフィ/ Photolithgraphy,光学顕微鏡/ Optical microscope,エリプソメトリ/ Ellipsometry,原子薄膜/ Atomic thin film,表面・界面・粒界制御/ Surface/interface/grain boundary control,高周波デバイス/ High frequency device,エレクトロデバイス/ Electronic device


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

小出 康夫

所属名 / Affiliation

物質・材料研究機構

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

原 征大

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

大井暁彦,渡辺英一郎,池田直樹

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NM-609:電子銃型蒸着装置 [ADS-E86]
NM-604:マスクレス露光装置 [DL-1000/NC2P]
NM-611:原子層堆積装置 [AD-230LP]
NM-619:赤外線ランプ加熱装置 [RTP-6 #2]
NM-619:赤外線ランプ加熱装置 [RTP-6 #2]


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

トレンチ構造の縦型GaN MOSFETにおいては側壁はm 面GaN となり、従来のc 面GaNに加えて、その電気特性を探索することが重要である。これまでc面のn-GaN/Al2O3 キャパシタでは、キャパシタ作製プロセスの最高温度である300 ℃ の後熱処理(Post Metallization Annealing, PMAと記述)前後で、静電容量-電圧(C-V )特性の周波数依存性及びフラットバンド電圧(VFB)のヒステリシスが改善される事が報告されている。この原因としてGaN 表面のGa 及びN 原子が再配列されるモデルが提案されている。また、当該NIMSグループの先行研究で、GaN/SiO2 界面に、イプシロン相或いはガンマ相のGa2O3 層がエピタキシャルに成長している事を見出している。更にn-及びp-GaN 表面には、GaOx層の自然酸化膜が形成されていることも見出している。これらの結果を踏まえて、GaN MOS界面の不安定性は、Ga2O3 層に関与しているものと推定でき、MOS界面の安定性を向上させる方策を確立することが必須となる。そこで、本実験では、Si-CMOSプロセスで開発されている技術である「SiOダミープロセス」(SiO2 膜でGaN 表面を覆った後に熱処理するプロセス)を利用して、GaN 表面の改質を試みた。そして、GaN 最表面を改質したc 及びm 面のn-GaN/Al2O3/Pt キャパシタの電気的特性を調べて、SiO2ダミープロセスの有効性を調査した。

実験 / Experimental

まずUnstable な表面層を含むc 及びm 面のn-GaN エピ基板は、SPM/BHF 溶液で洗浄された後に、300℃のALD 法で5nm 膜厚のSiO2 ダミー膜がn-GaN エピ基板上に成膜された後に、600から900℃で熱処理された。その後SiO2 ダミー膜は除去して、300℃のALD 法で膜厚10nm のAl2O3絶縁膜を成膜した後に、Al2O3 膜上へPt ゲート電極及びn-GaN 裏面にTi/Pt オーミック電極を形成して、MOS キャパシタを作製した。最後にMOSキャパシタは、300℃で熱処理された。リファレンスとして、c 及びm 面のn-GaN エピ基板をSiOダミープロセスなしでAl2O3 キャパシタを作製した。

結果と考察 / Results and Discussion

図1に、種々温度でのSiO2ダミープロセスとSiO2ダミープロセス無の場合におけるc面n-GaN/Al2O3/Pt MOSキャパシタの2から4MV/cmの電界ストレス後のVFBシフトをプロットしている。この図から、600, 700, 及び900℃のSiO2ダミープロセスいずれも無しの場合に較べて、VFBシフトは減少していることがわかる。これらのシフトは正方向電圧ストレスに対する負方向シフトに対応している。これより、SiOダミープロセスが有効であることが分かり、MOS界面近傍の電子トラップが減少しているものと解釈している。一方m面GaNではVFBシフトのSiOダミープロセス有り無しで、ほぼ変化がない結果を得ている。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1. 種々温度におけるSiO2ダミープロセス有り無しの場合のc面n-GaN/Al2O3/Pt MOSキャパシタの種々正バイアスストレスかのフラットバンド電圧(VFB)シフトの関係。図中の記号は、印可電界の大きさによって、それぞれ2.0(〇)、2.5(△)、3.0(□)、 3.5(▽)、 4.0(◇) MV/cmを示す。


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

本研究は、京都大学大学院工学研究科木本恒暢教授研究室のD3大学院性である原征大氏を京大卓越大学院プログラムのインターンシップ、NIMS研修生として受け入れ進めた研究であり、ここに謝意を表します。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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