利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.21】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23NM5170

利用課題名 / Title

機能性有機分子を利用した電子デバイスの開発

利用した実施機関 / Support Institute

物質・材料研究機構 / NIMS

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed

キーワード / Keywords

ALD,スパッタリング/ Sputtering,ダイシング/ Dicing,エリプソメトリ/ Ellipsometry,スピントロニクス/ Spintronics,量子効果/ Quantum effect,表面・界面・粒界制御/ Surface/interface/grain boundary control,エレクトロデバイス/ Electronic device,スピントロニクスデバイス/ Spintronics device,量子効果デバイス/ Quantum effect device


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

早川 竜馬

所属名 / Affiliation

物質・材料研究機構

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

Bera Jayanta,清水 好葉,山本 勇帆

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

大井 暁彦,藤井 美智子

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NM-655:分光エリプソメーター [M2000]
NM-656:ダイシングソー [DAD3220]
NM-607:スパッタ装置 [CFS-4EP-LL #3]
NM-644:原子層堆積装置 [SUNALE R-150]


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

Internet of Things (IoT)社会の実現に向けて分子の持つ軽量性、柔軟性だけでなく、分子材料の持つ多様な機能を活かした有機分子デバイスの開発が求められている。本研究では、”分子ならでは”の機能であるエネルギー準位の離散性を活かした電子デバイスの開発を進めている。具体的には分子を用いた縦型トンネルデバイスおよび有機pn接合を利用した新規論理回路の開発である。上記素子を形成するために本申請課題では、有機薄膜層やゲート絶縁膜の膜厚評価、電極蒸着、基板のダイシングを中心に共用装置を利用した。

実験 / Experimental

分子を用いた縦型トンネルデバイスおよび有機pn接合を利用した新規論理回路を作製するために、4インチシリコンウェハーのダイシングを行った。また、有機薄膜およびゲート絶縁膜の膜厚について分光エリプソメーターを用いて評価した。さらに、分子を用いた縦型トンネルデバイスの作製のため、NiFeおよびFeをスパッタ装置により形成した。合わせて、トランジスタのゲート絶縁膜としてHfO2を原子層堆積装置により形成した。

結果と考察 / Results and Discussion

有機pn接合を利用した新規論理回路の研究については、5分子層程度のp型およびn型有機薄膜を交互積層する必要がある。分光エリプソメーターを用いて膜厚を最適化した。その結果、ゲート電圧の掃引により室温で負性抵抗に類似したドレイン電流の増減現象を観測した。さらに2種類の異なるn型半導体層と1種類のp型半導体層を積層することで異なる2つのゲート電圧で負性抵抗に起因するドレイン電流変化を観測した。今後、本トランジスタとn型トランジスタを組み合わせた4値インバータの作製に繋がる成果になる。また、分子を用いた縦型トンネルデバイスでは、電極材料にNiFeおよびFeを用いた磁気トンネル接合を形成した。スピンバルブ効果に伴う磁気抵抗変化を観測した。今後、磁気トンネル接合の絶縁膜内に分子を量子ドットとして内包し、分子軌道を利用したスピン偏極電流変化を観測することを目指す。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 早川 竜馬, パニグラヒ デブダッタ, 若山 裕, 有機4値論理回路の開発 (I): 積層型アンチ・アンバイポーラトランジスタ, 第84回応用物理学会秋季学術講演会, 熊本, 2023年9月19日
  2. 高橋 海斗, 早川 竜馬, 金井 要, 若山 裕, 有機4値論理回路の開発 (II):並列型アンチ・アンバイポーラトランジスタ, 第84回応用物理学会 秋季学術講演会, 熊本, 2023年9月19日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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