【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.24】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23WS0333
利用課題名 / Title
次世代パワーデバイスの作製と評価
利用した実施機関 / Support Institute
早稲田大学 / Waseda Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion
キーワード / Keywords
パワーエレクトロニクス/ Power electronics,ALD,CVD
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
戸田 達也
所属名 / Affiliation
AGC株式会社
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術相談/Technical Consultation
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
WS-030:プラズマCVD装置
WS-004:原子層堆積装置
WS-009: Deep-RIE装置
WS-022:高耐圧デバイス測定装置+ 高耐圧プローバ
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
酸化ガリウムは、5eV程度の大きなバンドギャップに由来した高い破壊電界強度を有し、溶液法による単結晶基板の成長が可能であるため、社会実装が始まったGaNやSiCの次の世代のパワー半導体材料として注目されている。電子デバイス用半導体材料であることから、その品質を議論する上で結晶性などの膜物性評価に加え、電気特性の評価は重要である。また電気特性を評価するためには、ダイオードやトランジスタといったデバイスを作製する必要があり、その際絶縁膜や電極の形成技術が必要となる。上記背景をもとに、試作した簡易構造の酸化ガリウム縦型ショットキーバリアダイオードの逆方向耐圧評価のため、早稲田NTRCにある高耐圧デバイス評価装置(WS-022)を利用した。またALD(WS004)とTEOS-CVD(WS030)装置を用いてAl2O3とSiO2を成膜し、光学特性と耐圧の評価を行った。またALDとTEOS-CVDのステップカバレッジ評価を目的に、酸化ガリウムトレンチ加工の代替手段として、Deep-RIEによるSiの高アスペクト比エッチングを試みた。
実験 / Experimental
高耐圧デバイス評価装置(B1505A)を用いて、文献を参考に購入した酸化ガリウムホモエピ膜製品を用いて作製した縦型ショットキーバリアダイオードの逆方向耐圧の評価を行った。裏面電極(カソード)側をグランドに、表面電極(アノード)を高電圧(HV)ユニットにそれぞれ接続し、0Vから-600Vまで-1V刻みで、アノード電極への逆方向電圧を掃引しながら各電圧における電流値を測定した。
Si基板および低抵抗酸化ガリウム基板上に、ALDとTEOS-CVD装置を用いて、それぞれ50 nmと100nm狙いでAl2O3およびSiO2膜を成膜した。成膜時の基板温度はどちらも300℃で、ALDでは酸化源としてH2Oを用いた。
4インチSi基板上に膜厚1μmのポジレジストをパターニングし、ボッシュプロセスによる高アスペクト比エッチングを試みた。使用したレシピは装置既存の低スカラップレシピ(wide trench)であり、サイクル数は30回と50回で行った。
結果と考察 / Results and Discussion
従来文献による報告の通り、電界緩和構造を取り入れていない簡易構造の酸化ガリウム縦型ショットキーバリアダイオードであっても、-500V以上の耐圧が得られることを実際に確認した。
エリプソメトリーにより評価した、Si基板上のAl2O3およびSiO2の屈折率はそれぞれ1.64と1.45であった。またフィッティングの結果ではあるが、ALD-Al2O3膜のラフネスは0.1nm未満であった。低抵抗酸化ガリウム基板上に成膜したAl2O3およびSiO2上にAl電極を形成し、絶縁耐圧を評価したところ、SiO2膜はリーク電流およびそのバラつきが大きく、定量的な評価を行うことが困難であった。それに対してAl2O3膜では、7 MV/cm以上の耐圧が均一性高く得られた。
Deep-RIE加工を行ったSi基板の断面SEM観察により、使用レシピでスカラップの小さい高アスペクト比エッチングができていることを確認した。パターン幅に依るものの、サイクル数30回と50回でエッチング深さはそれぞれ15μm、20μm程度であった。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件