利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.02】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23HK0128

利用課題名 / Title

圧縮機用摺動部材の高耐久化に関する研究

利用した実施機関 / Support Institute

北海道大学 / Hokkaido Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

各種表面処理等/ Various surface treatments,走査型透過電子顕微鏡/ Scanning transmission,X線回折/ X-ray diffraction,集束イオンビーム(FIB)/ Focused ion beam electron microscopy,透過型電子顕微鏡/ Transmission electron microscopy,表面・界面・粒界制御/ Surface/interface/grain boundary control,電子回折/ Electron diffraction


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

石田 貴規

所属名 / Affiliation

パナソニック株式会社 空質空調社 空調デバイス事業部 空調デバイス技術部

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

石田 貴規,今井 悠介

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

坂口 紀史,大多 亮

利用形態 / Support Type

(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

HK-101:ダブル球面収差補正走査透過型電子顕微鏡
HK-103:マルチビーム超高圧電子顕微鏡
HK-105:集束イオンビーム加工装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 冷凍サイクルに使用される圧縮機の研究開発を推進している。北海道大学マテリアル先端リサーチインフラ(ARIM)事業の技術課題支援制度を利用して、鉄系摺動部品の窒化表面処理において、処理方法の違い(条件1、条件2)による窒化層構造への影響を明確化すべく構造解析を行った。

実験 / Experimental

【利用した主な装置】
 高分解能三次元構造評価装置(Titan G2)
【実験方法】
 FIBにより断面方法の分析サンプルの作製を行った。その後、透過型電子顕微鏡(TEM、STEM)による最表面近傍の構造解析、並びに元素EDS分析、EBSD分析や薄膜XRD分析をを実施した。

結果と考察 / Results and Discussion

 窒化処理条件1では、表層から2μm程度は細かい粒状組織で微細なCrNが形成されている。CrNは微結晶粒の粒界に沿って析出しているが粒内にもCrNが見られた。窒素の侵入深さは数十μmに達する。また、酸素の顕著な侵入も確認された。一方、窒化処理条件2では、表層から3μm程度は2層が入り乱れており、Fe、Crの酸化物(Fe2O3、(Fe,Cr)3O4など)が考えられる。その直下には粒界に沿ってCrNが析出している。窒素の侵入深さは10μm程度であった。以上の結果から処理方法によって窒化物層の構造が異なることが判明した。圧縮機を用いた実機信頼性試験の結果では、窒化処理条件2の耐摩耗性が高い。耐久性が良好な窒化物層の構造の一端が明確化できた。今後、耐久性に優れた量産可能な(コストパフォーマンスに優れた)処理条件の導出に繋げるべく、検討を進めていく。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 処理膜表面近傍のSTEM画像


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

 本課題の遂行にあたり、大学院工学研究院 坂口紀史准教授にご指導、ご鞭撻を賜り、また大多亮技術職員に機器利用のご協力を頂きました。ここに感謝申し上げます。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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