【公開日：2024.07.25】【最終更新日：2024.04.19】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23HK0043

利用課題名 / Title

被照射F82H鋼における格子間原子型転位ループの１次元拡散挙動

利用した実施機関 / Support Institute

北海道大学 / Hokkaido Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】（主 / Main）計測・分析/Advanced Characterization（副 / Sub）-

【重要技術領域 / Important Technology Area】（主 / Main）革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion（副 / Sub）量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions

キーワード / Keywords

電子顕微鏡/ Electronic microscope,走査プローブ顕微鏡/ Scanning probe microscope,イオンミリング/ Ion milling,集束イオンビーム/ Focused ion beam,電子回折/ Electron diffraction,質量分析/ Mass spectrometry,水素貯蔵/ Hydrogen storage,表面・界面・粒界制御/ Surface/interface/grain boundary control

利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名（課題申請者）/ User Name (Project Applicant)

野澤 貴志

所属名 / Affiliation

量子科学技術研究開発機構核融合炉構造材料開発グループ

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

橋本直幸

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

遠堂敬史

利用形態 / Support Type

（主 / Main）機器利用/Equipment Utilization（副 / Sub）-

利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

HK-102：電界放射型分析電子顕微鏡
HK-103：マルチビーム超高圧電子顕微鏡
HK-105：集束イオンビーム加工装置
HK-301：環境セル対応透過電子顕微鏡
HK-304：集束イオンビーム加工・観察装置

報告書データ / Report

概要（目的・用途・実施内容）/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

核融合炉構造材料は炉内で起こる D-T 反応に由来する中性子照射を受ける環境で 使用され、原子のはじき出しによって格子間原子や空孔などの点欠陥が導入される。さらに 同種の点欠陥が集合してクラスターを形成し、照射損傷の進行と共に成長して転位ループ やボイドが形成され、炉材の硬化・脆化が起こる。低放射化フェライト/マルテンサイト鋼 の F82H 鋼は、上述のような照射環境で使用される材料として開発され、照射による延性脆 性遷移温度の上昇が小さくクリープ破断強度も高いという優れた特性を有するが、 300~400 ℃の温度域において照射硬化や照射脆化が生ずるという課題がある。この照射損傷 に起因する微細組織の変化には、格子間原子型クラスターの 1 次元運動が大きく関与して いると考えられている。そこで本研究では、格子間原子型クラスターの 1 次元運動を詳細に 解析し、F82H 鋼における微細組織変化のメカニズムを探ることを試みた。 

実験 / Experimental

F82H 鋼母材から 0.3 mm 厚の薄板を切り出し、打抜き機を用いて直径 3 mm の円盤 に打ち抜いた後に転位除去熱処理(800 ℃, 3 h)を行った。熱処理後の試料の両面を#2000 の 研磨紙で研磨したのち、CH3OH : HClO4 = 19 : 1 の電解液で電解研磨を行い、電子顕微鏡観 察用薄膜を作製した。これらの薄膜に対して超高圧電子顕微鏡(加速電圧 1250 kV)を用いた 電子線照射実験を行い、常温または 100 ℃で欠陥を導入し、150 ℃、200 ℃、250 ℃、…、 400 ℃に昇温させ、格子間原子型クラスターの 1 次元運動のその場観察を試みた。 

結果と考察 / Results and Discussion

室温及び 100 ℃で照射後、400 ℃まで昇温したときの微細組 織変化を調査した。今回の条件において、格子間原子型クラスターの 1 次元運動が一部観察され た。先行研究により、α-鉄中で観察される格子間原子型クラスターの１次元運動は、マトリックス中の不純物濃度に影響されることが示唆されており、本実験で得られた 1 次元運動の抑制は、F82H鋼中に存在する炭素や窒素が格子間原子型クラスターをトラップしたことによるものと推察される。 

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations

その他・特記事項（参考文献・謝辞等） / Remarks(References and Acknowledgements)

成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング（DOIのあるもの） / DOI (Publication and Proceedings)

口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.

特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications：0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents：0件