【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.28】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23HK0018
利用課題名 / Title
Co基ホイスラー合金・強磁性酸化物を用いたスピン機能デバイスの研究
利用した実施機関 / Support Institute
北海道大学 / Hokkaido Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
蒸着・成膜/ Vapor deposition/film formation,電子線リソグラフィ/ EB lithography,膜加工・エッチング/ Film processing/etching,スピントロニクス/ Spintronics
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
山ノ内 路彦
所属名 / Affiliation
北海道大学 大学院 情報科学研究院
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
中村圭佑,石旭,佐々木仁,細井浩貴,浮田桂子,遠堂敬史,松尾保孝
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
HK-621:反応性イオンエッチング装置
HK-615:パルスレーザー堆積装置
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
近年,スピン軌道相互作用に起因したスピントロニクス現象を応用することにより,高性能なスピントロニクス素子の実現が期待されている.本研究では,半導体スピン注入素子における磁化制御手法として,半導体上に成膜した垂直磁化膜のスピン軌道トルク磁化反転を調べた.また,特異なスピン軌道相互作用を示すワイル強磁性体をスピン源とする強磁性ヘテロ構造において,スピン軌道トルク磁化反転を調べた.さらに,ワイル強磁性体において電流誘起磁壁移動を調べた.
実験 / Experimental
GaAs基板上にFeをバッファ層としてMnGaを成膜した後,スピン源として強いスピン軌道相互作用を示すTaを成膜した。また,MgO基板上にワイル強磁性体と考えられているCo2MnAlをスピン源とした強磁性ヘテロ構造を成膜した。そして、これらの積層構造をホールバー形状素子に加工し,スピン軌道相互作用に起因したスピン軌道トルクによる磁化反転を調べた。ここで,これらのデバイス作製の際に,保護層としてSiO2を形成し,RIEを用いてコンタクトホールを形成した.さらに,パルスレーザー堆積法を用いてSrTiO3基板上にパルスレーザー堆積装置を用いてワイル強磁性体であるSrRuO3薄膜を成膜した後,ホールバー形状素子に加工して,電流が磁壁移動に及ぼす効果を調べた.
結果と考察 / Results and Discussion
半導体基板上に成膜したMnGa/Feの明瞭なスピン軌道トルク磁化反転が観測された.また,Co2MnAlをスピン源とした強磁性ヘテロ構造において,spin-orbit precession効果に起因すると考えられるスピン軌道トルク磁化反転が観測された.さらに,SrRuO3における電流誘起磁壁移動では,ワイル点近傍のワイル電子に起因したトポロジカルホールトルクが重要な役割を果たすことを明らかにした.
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
-
Mineto Ogawa, Effect of an ultrathin Fe interlayer on the growth of MnGa and spin-orbit-torque induced magnetization switching, Applied Physics Express, 16, 063002(2023).
DOI: https://doi.org/10.35848/1882-0786/acdb2c
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- Mineto Ogawa, Takuya Hara, Shun Hasebe, Michihiko Yamanouchi, and Tetsuya Uemura, "Spin-orbit torque induced magnetization switching in perpendicularly magnetized MnGa/Fe bilayer grown on GaA (poster)", INTERMAG 2023(Sendai), May 15, 2023.
- 山ノ内路彦, "強磁性酸化物SrRuO3 におけるワイル電子に起因したスピントルク(口頭)", 日本物理学会第78回年次大会(仙台), 2023年9月17日.
- 小川峰登, 原拓也, 長谷部俊, 山ノ内路彦, 植村哲也, "MnGa の成長とスピン軌道トルク磁化反転に対する極薄Fe 中間層の影響(口頭)", 第47回 日本磁気学会学術講演会(大阪), 2023年9月29日.
- 菅原聖威、山ノ内路彦、 植村哲也, "Co2Mn(Al,Ga) 薄膜における異常ホール効果とネルンスト効果の評価(ポスター)", 第47回 日本磁気学会学術講演会(大阪), 2023年9月28日.
- 森田大夢, 花野直樹, 山ノ内路彦, 植村哲也, "Co基ホイスラー合金Co2MnSiによるスピン軌道トルクの特性評価 (口頭)", 第59 回 応用物理学会北海道支部第20 回 日本光学会北海道支部合同学術講演(札幌), 2024年1月6日.
- 花野直樹, 森田大夢, 山ノ内路彦, 植村哲也, "Co2MnAlをスピン源にした垂直磁化膜に作用するスピン軌道トルク(口頭)", 第59 回 応用物理学会北海道支部第20 回 日本光学会北海道支部合同学術講演(札幌), 2024年1月6日.
- 小川峰登, 原拓也, 長谷部俊, 山ノ内路彦, 植村哲也, "GaAs 上に成長したM nGa/Fe 垂直磁化膜のスピン軌道トルク磁化反転と有効磁場の観測(ポスター)", 第27回 半導体におけるスピン工学の基礎と応用(仙台), 2024年3月16日.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件