利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.03.18】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23AT0348

利用課題名 / Title

シリコン微細加工を用いたエレクトロスプレースラスタ作製の試み

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

エレクトロデバイス/ Electronic device,膜加工・エッチング/ Film processing/etching,光リソグラフィ/ Photolithgraphy


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

長尾 昌善

所属名 / Affiliation

産業技術総合研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

郭樹俊,清水翔太郎

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

増田 賢一,杉山 和義

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-110:レーザー描画装置〔DWL66+〕
AT-101:Si深堀エッチング装置〔PlasmaPro_100〕


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

我々は、超小型人工衛星に搭載可能なエレクトロスプレー現象を利用したイオン放出源の作製を試みている。これは、イオン液体を推進剤としイオンを真空中に放出することで推進力を得るものである。エレクトロスプレーイオン源はエミッタとエクストラクタの2つの電極で構成される。エミッタに推進剤であるイオン液体を供給し、エクストラクタに電圧を印加することで、エミッタに電界が集中しその強電界によりイオン液体からイオンが放出される。我々が作製を試みたのは、1つのイオン源の大きさが数μmと非常に小さなもので、シリコン基板上に作製し、それを多数集積する事で、十分な推進力を得ようとするものである。シリコン基板の一方の面に先端の尖ったニードル構造のエミッタとエクストラクタ電極を作製し、その裏面からシリコン基板を深掘りして、イオン液体の供給口を形成する計画である。本研究では、イオン液体の供給口を形成するために、両面アライメントが可能なレーザー描画装置と、深掘りエッチング装置を活用した。

実験 / Experimental

イオン供給口の大きさを決めるために、シリコン基板上に500μmから50μmまでのホールパターンを形成し、深掘りエッチングを試みた。エッチングの際のマスクには、SF6ではエッチングされないクロム膜を用いた。まず、6inchウエハ(厚さ625μm)から切り出した20mm角のシリコン基板に、スパッタで300nmのクロムを成膜し、レーザー描画装置によるフォトリソグラフィにて、上記のホールパターンを形成した。クロムは、市販のクロムエッチング液(硝酸第二セリウムアンモニウムが主成分)によりエッチングした。深掘りの際には、4inchのシリコン基板上に20mm角ウエハを貼り付け、「Oxford TSV Bosch Etching Si 1 STG」を使って、エッチングを行った。

結果と考察 / Results and Discussion

図1(a)にエッチングしたシリコン基板の写真を示す。シリコン基板上に穴が形成できているのが確認できる。この穴は、エッチング面とは反対の面から観察している。したがって、穴が開いている部分は、厚さ625μmのシリコン基板を貫通したと言うことである。左の方から、500μm、400μmとなっており、最も小さい貫通孔は150μmであった。100μmと50μmの穴は貫通しなかったが、おもて面からSEMで観察(図1(b)および(c))して、SEMの中でのサンプルの角度から、穴の深さをおおよそ見積もると、約430μm程度であった。以上の結果から、100μm以下の穴径では、サイクル数を増やさなければならないが、150μm以上では標準レシピのまま条件を変えずに貫通穴を開けれることがわかった。
今後、基板上にエミッタ・エクストラクタを形成したサンプルを用いて、イオン供給口を形成する予定である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 深掘りエッチングでエッチングした基板の写真とエッチング穴のSEM写真


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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