利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.03.08】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23AT0255

利用課題名 / Title

ポリイミド基板がNiO系太陽電池の電気特性に与える影響

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies(副 / Sub)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion

キーワード / Keywords

太陽電池/ Solar cell,質量分析/ Mass spectrometry,資源使用量低減技術/ Technologies for reducing resource usage,未利用資源の有効利用技術/ Technologies for effective utilization of unused resources


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

杉山 睦

所属名 / Affiliation

東京理科大学創域理工学部

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

小出 祐菜

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

大塚 照久, 有本 宏

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-038:二次イオン質量分析装置(D-SIMS)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

近年IoT関連技術への需要が拡大しており、IoTデバイスの更なる応用範囲の拡大や多機能化に向けてフレキシブル化が検討されている。ポリイミド系フレキシブル基板は従来のガラス基板と比較して軽く、自由に湾曲させられるため設置自由度が高い利点がある一方で、有機物で構成されているため基板由来の不純物がデバイスへ拡散しやすいこと等が知られている。しかし、積層構造デバイスの電気特性にポリイミド系基板が及ぼす影響を検討した報告例は少ない。本研究では酸化ニッケル(NiO)等の酸化物半導体を用いたNiO/ZnO系太陽電池をガラス基板上及びポリイミド基板上に作製し、各層や界面に及ぼす影響を評価・検討した。

実験 / Experimental

基板にはアルカリフリーガラス、および各種ポリイミド系フレキシブルを用いた。RFリアクティブマグネトロンスパッタ法により、p-NiO:Li(10 nm)/n-ZnO(500 nm)/ITO(400 nm)構造のNiO構造を成膜し、表面にAg電極を堆積した。作製した太陽電池に対して擬似太陽光(AM1.5)照射下においてJ-V測定などを行った。

結果と考察 / Results and Discussion

各種ポリイミド基板上とアルカリフリーガラス基板上に作製したNiO系太陽電池の発電効率を比較検討した。アルカリフリーガラス基板上に作製したNiO系太陽電池と比較して、ポリイミド上に作製したNiO系太陽電池の発電効率が高いことを確認した。これより、ポリイミド基板がNiO系太陽電池の電気特性に影響を与えていると推測される。実際、半導体ポリイミド基板界面付近をSIMS測定したところ、ポリイミド系フレキシブル基板から若干のCが拡散していること、Cの拡散量はポリイミド基板のメーカーによって異なっていることを確認した。ホール測定等他の評価との結果を考慮すると、Cがサーファクタントとして働くことで多結晶NiO/ZnO/ITOの粒径が異なり、Cの拡散量(拡散しやすさ)が粒径の大きさに影響していると推測した。一方でCの拡散量に関わらず酸素空孔の密度は変わらないことが推測できた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

本研究の一部は、JST共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)、東京理科大学総合研究院再生可能エネルギー技術研究部門、およびスペースシステム創造研究センターの支援を受けた。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 小出 祐菜, 大久保 慶人, 友野 恵介, 杉山 睦, "ポリイミド系フレキシブル基板がNiO系太陽電池の電気特性に与える影響", 2023年 第84回応用物理学会秋季学術講演会 於熊本城ホール 21p-P09-27, 2023.9.21
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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