【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.03.09】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23AT0138
利用課題名 / Title
ダイヤモンド上のALD法によるAl2O3膜の窓開け加工方法
利用した実施機関 / Support Institute
産業技術総合研究所 / AIST
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed
キーワード / Keywords
蒸着・成膜/ Vapor deposition/film formation,ALD,光リソグラフィ/ Photolithgraphy,膜加工・エッチング/ Film processing/etching,電子顕微鏡/ Electronic microscope,ワイドギャップ半導体/ Wide gap semiconductor,パワーエレクトロニクス/ Power electronics,エレクトロデバイス/ Electronic device
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
川島 宏幸
所属名 / Affiliation
大熊ダイヤモンドデバイス株式会社
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
若井 知子,伊藤 彰悟,永井 悠平,山口 卓宏,三好 洋紀,秦 信宏,米津 彩
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
杉山 和義,増田 賢一,郭 哲維
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術代行/Technology Substitution
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
AT-006:マスクレス露光装置
AT-004:電界放出形走査電子顕微鏡[S4800_FE-SEM]
AT-023:電子ビーム真空蒸着装置
AT-099:サムコ原子層堆積装置_2[AD-100LP]
AT-109:6インチ電子ビーム真空蒸着装置(アールデック)
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
ダイヤモンド半導体は従来の半導体材料を凌駕する物性と特有な性質を持つ.特筆すべき性質としては高温耐性や放射線耐性に非常に優れている点であり,弊社ではこの性質を利用したダイヤモンドMOSFET(RADDFET)を試作し,原子炉などの過酷環境での実用化を目指している.実用化への課題の一つとして歩留まり改善が挙げられ,それには安定したプロセスの獲得が肝要である.本報告ではRADDFETにおける重要なプロセスにおけるAl2O3膜の窓開け加工プロセスの確立を行った.Al2O3膜はゲート絶縁膜,パッシベーション膜にも使われ,窓開け加工はデバイスへの接続を行うためにも必須なプロセスである.
実験 / Experimental
本実験におけるプロセスの概略図を図1に示す.ダイヤモンド基板上に選択成長法で作製されたp+型ダイヤモンド層などで電極を形成したのち,原子層堆積装置(ALD)によりAl2O3を成膜して絶縁膜を形成する(図1(a)).その後,マスクレスアライナ装置でのフォトリソグラフィー法により電極部のみが開口されたレジストマスクを作成する(図1(b)).続いてBHFで開口部のAl2O3のみ除去したのち,最後に有機洗浄やプラズマアッシング装置でレジストを除去すれば窓開けプロセスの完了となる(図1(c)).
結果と考察 / Results and Discussion
図2に今回行ったAl2O3窓開けプロセスの各工程の写真を示す.図2(a)にてp+型ダイヤ選択成長層含めて一様に成膜されたAl2O3膜は,図2(b)のレジストマスクで指定した開口部に合わせ,BHFによるウエットエッチングにより図2(c)に示されるように窓開けがなされた.今回のサンプルにはp+型ダイヤ層による数百nmの段差があったが問題なくエッチングできていた.ただ一方で,開口部の設計寸法と実際の寸法との差についてはサンプルによってまちまちであった.寄生抵抗などを考慮したデバイス特性の均一化を考えた場合,今後はこの開口部寸法の安定化が課題となる.
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 ダイヤモンド基板上のAl2O3窓開けプロセスフロー(a) ALDによるAl2O3絶縁膜成膜後,(b) フォトリソグラフィー法によるレジストマスク形成後,(c) BHFによるAl2O3エッチングおよびレジストマスク除去後
図2 各プロセス後の実際のサンプル写真(a) ALDによるAl2O3絶縁膜成膜後,(b) フォトリソグラフィー法によるレジストマスク形成後,(c) BHFによるAl2O3エッチングおよびレジストマスク除去後
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件