利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.07.01】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23NR0011

利用課題名 / Title

GaInN活性層を有する赤色発光ナノコラムの発光特性評価

利用した実施機関 / Support Institute

奈良先端科学技術大学院大学 / NAIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed

キーワード / Keywords

カソードルミネッセンス/Cathode luminescence, 窒化ガリウム/Gallium nitride, ナノカラム構造/nanocolumn, ナノワイヤ/nanowire,電子顕微鏡/ Electronic microscope,フォトニクスデバイス/ Nanophotonics device,光デバイス/ Optical Device


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

赤塚 泰斗

所属名 / Affiliation

セイコーエプソン株式会社

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

小池徳貴

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NR-201:多機能分析走査電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

高輝度かつ低消費電力動作可能なディスプレイ光源として、マイクロLEDの開発が進んでいる。特にGaInN系ナノコラムは、ナノ構造に起因する転位屈曲効果や歪み緩和効果、周期配列構造に起因する光取り出し効果により高効率な赤色発光が期待できる[1],[2]。本研究では、ナノコラム1本単位の発光特性を取得して現状の課題を把握し、更なる高効率化に向けた施策を検討した。

実験 / Experimental

MOVPE法にて成膜したc面サファイヤ基板上GaNテンプレートにTiマスク選択成長RF-MBE法を用いてn-GaNナノコラムを成長した。次に、GaInN/GaN超格子(SL)を介して形成した半極性(10-11)面ファセット面上にGaInN/AlGaN MQWおよびAlGaNキャップ層を成長した。この試料に対し、多機能分析走査電子顕微鏡(NR-201)を用いてカソードルミネッセンス測定を行い、ナノコラム1本単位の発光特性を取得した。

結果と考察 / Results and Discussion

図1に示すSEM-CL像より、隣接するナノコラム間で発光強度差が生じており、結晶品質や構造に差が生じていることが示唆された。図2に示すTEM像より、GaInN/GaN-SLにより(10-11)面が形成されている一方で、意図せず複数の結晶面が混在していることが分かった。活性層の結晶品質を評価するために、活性層近傍(図2:黄色部)の制限視野電子回折図形から結晶揺らぎ角を測定した(図3)。図3より、赤色発光強度と結晶揺らぎ角には相関関係が認められることから、ナノコラム間の発光強度差は、活性層の微小な結晶品質の差によって生じていることが分かった。結晶品質の差は、複数の結晶面の混在によるⅤ/Ⅲ比のズレや表面原子の拡散阻害によって引き起こされていると想定される。高効率な赤色発光を得るためには、活性層下地の結晶面統一によるナノコラム間の結晶品質差の低減が必要であると考えられる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1. SEM-CL像



図2. 断面TEM像



図3. MQWの結晶揺らぎ比較


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

[1] H. Sekiguchi et al.:Appl. Phy Lett. 96, 231104 (2010)[2] K. Kishino and K. Yamano: IEEE J. Quantum Electron. 50, 538 (2014)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 赤塚泰斗, 掛村康人, 山田純平, 両角浩一, 石沢俊介, 赤坂康一郎, 宮澤弘, 野田貴史, 富樫理恵, 岸野克巳, "半極性面GaInN活性層を有する赤色発光ナノコラムの構造評価"第84回 応用物理学会秋季学術講演会(熊本) 2023年9月19~23日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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