利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.08】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23UT1128

利用課題名 / Title

はんだパッドのNi層の厚みとはんだ付け耐性

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

スッパタリング(スパッタ), Ni, はんだ,電子顕微鏡/ Electronic microscope,高品質プロセス材料/技術/ High quality process materials/technique,スパッタリング/ Sputtering,光学顕微鏡/ Optical microscope,膜加工・エッチング/ Film processing/etching


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

新井 克美

所属名 / Affiliation

キヤノン電子株式会社

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

渡辺 茂高

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

水島 彩子

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-501:卓上アッシング装置
UT-704:高密度汎用スパッタリング装置
UT-800:クリーンドラフト潤沢超純水付
UT-850:形状・膜厚・電気特性評価装置群


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

はんだパッド(Cr/Ni/Au)のはんだ付けに対する耐性を評価した。はんだ付けの3回繰り返し作業において、Ni層の厚みが300nm以上であれば、はんだ接合面の形状を維持できる。

実験 / Experimental

【利用装置】卓上アッシング装置、高密度汎用スパッタリング装置、クリーンドラフト潤沢超純水付、形状・膜厚・電気特性評価装置群
【試料作製】クリーンドラフト潤沢超純水付と卓上アッシング装置を用いて、石英ガラス基板に超音波洗浄とプラズマ洗浄を行う。1.2mm×1mmの開口部を持つステンレス製マスクを石英ガラス基板の表面に固定し、高密度汎用スパッタリング装置を用いて、はんだパッドとなる密着層Cr(厚み10 nm)、Ni層(厚み100, 300, 500 nm)、酸化防止層Au(厚み100nm)を積層する。そしてマスクを取り除いた試料に対し、形状・膜厚・電気特性評価装置群(DektakXT)を用いて、はんだパッドの厚みを評価した。Fig. 1は作製した試料と、はんだパッドを示す。
【はんだ付け】全てのはんだ付けは自機関で実施された。Fig. 2に示す通り、はんだ付けの評価は予備はんだ付けと銅線の接合、銅線のとりはずしの順番で行われ、これを3回繰り返して、はんだパッドの外観を確認した。はんだ付けでは、温度設定310℃の白光株式会社製はんだこて装置(こて先:T12-BC1)を用いて、ホーザン株式会社製はんだH-712(Sn60Pb40)と、はんだパッドを1~2秒で加熱した。Fig. 3は、はんだ付け後の試料をNi層の厚みごとに示す。Ni層の厚みが100nmの試料は、はんだが形成された領域が小さくなった。

結果と考察 / Results and Discussion

Niは溶融はんだに融解するため、Ni層の厚みが小さいほど、はんだ付けによってNi層が消失しやすい。厚み100nmの試料では、Ni層の一部が消失したことで、はんだとの濡れ性が低いと思われるCr層または基板表面が露出し、表面張力によって溶融はんだと下地が接触する面積が減少したと推測する。はんだの接合面が小さくなると接合強度が低下し電気抵抗が増加するので、はんだ付けにおいて避けることが好ましい。本実験から、はんだ付けの3回繰り返し作業においては、Ni層の厚みが300nm以上であれば、はんだ接合面の形状を維持できると考える。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1 Samples of soldering pad



Fig. 2 Soldering test



Fig. 3 Samples after soldering test


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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