利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.21】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23UT1071

利用課題名 / Title

ISFETセンサーの開発

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

pHセンサー,センサ/ Sensor,スパッタリング/ Sputtering,光学顕微鏡/ Optical microscope,ダイシング/ Dicing


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

中嶋 秀

所属名 / Affiliation

東京都立大学大学院都市環境科学研究科環境応用科学域

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

水島 彩子

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-711:LL式高密度汎用スパッタリング装置(2019)
UT-850:形状・膜厚・電気特性評価装置群
UT-900:ステルスダイサー


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

近年, 大気中のCO2増加による海洋の酸性化が進行している。海洋酸性化の進行度を評価する手段としてガラス電極が用いられているが, 高価で壊れやすいという問題点がある。これらの問題点を解決するために, 当研究室ではイオン感応性電界効果型トランジスタ(Ion Sensitive Field Effect Transistor : ISFET)を用いるpHセンサーについて研究を行っている。ISFET-pHセンサーは, ゲート絶縁膜上に金属酸化物で構成されたイオン感応膜が接続されているが, 光によってセンサー感度が悪化する問題点があった。そこで本研究ではイオン感応膜にTa2O5を用い、基板にSiと石英の2種類作製し, その性能評価を行った。

実験 / Experimental

本研究で作製したISFET-pHセンサーの装置構成は以下の通りである。ISFETセンサーのイオン感応膜にはTa2O5をスパッタリングすることで製作した。Siは2層, 石英は4層構造となっている。シリコンウエハーはステルスダイサーを用いて、5mm x 5mmにカットした。また、シリコンウエハーを用いたセンサーの膜厚は、光干渉式膜厚測定装置を用いて計測した。製作したセンサー(図)を市販のpH標準溶液 (pH 4.01, 6.86, 9.18) に浸漬させ, ゲート電圧の変化を測定した。また, 同様の方法でTRIS/塩酸緩衝液(TRIS, pH 8.11),2-アミノピリジン/塩酸緩衝液(AMP, pH 6.81)および海水を測定した。

結果と考察 / Results and Discussion

基板がSiであるTa2O5イオン感応膜ISFETセンサーに市販のpH標準溶液を順に浸漬させ、各pH標準溶液に45分間, 5分ごとに繰り返し測定した結果,  pH応答性及びpH再現性が得られた。また,ゲート電圧をpHに対してプロットした検量線を作成したところ, センサー感度の平均値は53.5 mV/pHと算出された。これらの結果から, 基板がSiであるTa2O5イオン感応膜にはpH応答性, pH再現性が確認された。また, 基板が石英であるイオン感応膜もpH応答性が確認された。今後はイオン感応膜の表面状態を長時間安定化させることで, 海洋での長期観測用pHセンサーへの応用を目指す。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図. 作製したセンサーの概略図


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

本研究は、科研費挑戦的研究(開拓) 23K17464 および科研費基盤研究B 21H03578 の助成を受けました。
また、技術支援者の水島彩子様には、技術指導や装置の使い方など、大変お世話になりました。感謝申し上げます。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 小川良太、山本将史、鈴木拳太、森岡和大、辺見彰秀、武田智子、茅根創、中嶋秀、マルチチャンネル型ISFET-pHセンサーを用いる海底堆積物中の間隙水のpH測定、日本分析化学会第72年会 ポスター発表[2Y-086] 、2023.9
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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