利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.09】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23UT1044

利用課題名 / Title

超音波デバイスの製造方法

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

シリコン基材料・デバイス/ Silicon-based materials and devices, 圧電・焦電材料/ Piezoelectric materials and Pyroelectricmaterials、干渉式膜厚計,MEMS/NEMSデバイス/ MEMS/NEMS device,センサ/ Sensor,スパッタリング/ Sputtering,光学顕微鏡/ Optical microscope,膜加工・エッチング/ Film processing/etching


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

桝本 尚己

所属名 / Affiliation

日清紡マイクロデバイス株式会社

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

菊池利克

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

水島彩子

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-711:LL式高密度汎用スパッタリング装置(2019)
UT-800:クリーンドラフト潤沢超純水付
UT-850:形状・膜厚・電気特性評価装置群


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

超音波デバイス製造にあたり、高温処理時に電極の酸化防止としてAlN保護膜の成膜と加工性を調べた。シリコン基板上にAlNを成膜し、光干渉式膜厚測定装置で膜厚を求めた。その結果、十分な成膜レートで目標膜厚が得られ、作製した膜をウェットエッチングで加工できることを確認した。

実験 / Experimental

成膜するウェハは4インチシリコンと、密着性確認用にSiO2やRuを積層したウェハ各1枚を準備した。前記ウェハにLL式高密度汎用スパッタリング装置でAlNを成膜した。東京大学ARIM微細加工部門保有のAlNターゲットを使用し、Ar/N2流量やパワー条件はARIM提供の条件を基に設定した。シリコンウェハ上に成膜したAlNについて光干渉式膜厚測定装置で膜厚を測定した。その後、ウェハを劈開し薬液KPZ-04に浸漬し加工性を確認した。サンプルは、表面の一部をカプトンテープでマスキングしてから薬品に浸漬し、所定時間処理後、水洗、乾燥し、カプトンテープ剥離後表面観察した。
[スパッタ条件] Ar流量 18sccm, N2流量 5sccm, スパッタパワー 500W, 圧力0.4Pa, プリスパッタ時間 240sec, スパッタ時間 1800sec, 温度制御なし
[薬液処理条件] KPZ-04 (フッ化アンモニウム1%, 硝酸23%) 処理時間3min、常温、撹拌なし

結果と考察 / Results and Discussion

成膜後、各試料で、剥離等が無く全面に成膜できていることを確認した。(図1)
シリコンウェハ上AlN膜厚測定した結果、3点計測平均値で125nmとなり、目標膜厚100nm以上を得られ、成膜レートは4.2nm/minであった。(表1)
成膜したAlNの加工性を調べるため、薬液浸漬実験を行った。成膜後から、劈開、薬品処理、テープ剥離まで行った画像を示す(図2)。マスキングテープ剥離後に表面を観察すると、元々テープがあった場所以外シリコン表面が露出し、薬液浸漬によってAlNが除去されたことを確かめた。
スパッタでAlNを希望した膜厚に成膜可能で、容易に加工できることを確かめた。今後は主に超音波デバイスの保護膜として使用を見込んでいる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 作製した試料の外観、構造



表1 膜厚測定結果



図2 薬液処理後ウェハ画像


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

技術支援を頂いた東大マテリアル先端リサーチインフラ・データハブ拠点技術員の皆様に深く感謝します。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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