利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.09】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22GA0104

利用課題名 / Title

有機トランジスタの作製

利用した実施機関 / Support Institute

香川大学 / Kagawa Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed

キーワード / Keywords

エリプソメータ,エリプソメトリー,シリコン熱酸化膜


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

村上 秀樹

所属名 / Affiliation

久留米工業高等専門学校

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

GA-012:エリプソメータ


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

近年IoT(Internet of Things)が急速に発展しており、あらゆるものにコンピュータが埋め込まれ始めている。高性能なコンピュータが求められている一方で、IDタグやセンサデバイス用コンピュータ等、低コストでコンパクトなコンピュータが求められている。コンピュータの主要素子であるトランジスタは半導体材料で作られているが、これには無機半導体と有機半導体の2種類あり、現在は主にシリコン等の無機半導体が用いられている。しかし、無機半導体を用いたトランジスタプロセスでは、高温・高真空等のプロセスコストの高い工程が必須であり、製品の高コスト化は避けられない。一方有機半導体は、大気中にて、スピンコート法等の200℃以下の低温で形成でき、柔軟性にも富んでいる事から、上述のIoTアプリケーションとの親和性は非常に高く、実用化が期待されている。有機半導体の課題として、材料の高安定化とキャリアの移動度の向上が挙げられる。キャリア移動度は、薄膜デバイスで用いられている多結晶シリコンが80~200[cm2/V・s]であるのに対し、有機半導体は0.1[cm2/V・s]と圧倒的に低く、有機材料は、変質しやすく不安定であり、再現性を確保することが困難である。そこで本研究では、高移動度で、高安定性が期待される新規有機半導体材料を提案し、これを用いた有機トランジスタを試作することを目的とする。

実験 / Experimental

トランジスタ構造として、良質なゲート絶縁膜を有機材料形成前に、高温を用いて形成でき、プロセスも簡便であるボトムゲート-ボトムコンタクト構造およびボトムゲート-トップコンタクト構造を採用した。
最終的にゲート電極となるn+Si基板(0.01 Ωcm)を化学溶液洗浄後、1000℃ウェット酸化(東京エレロン、370MI-MINI)を行い表面にゲート酸化膜を形成した。熱酸化膜の膜厚およびその面内分布を、エリプソメータ(溝尻光学社製、DHA-XA/M8)を用いて評価を行った(ここまでを香川大学ARIMにて実施)。裏面酸化膜除去を行った後に、裏面にAlゲート電極をスパッタにより形成した試料を作成した(裏面電極形成は、別途、広島大ARIMにて実施)。その後、試料上に有機半導体膜をスピンコートで塗布し、蒸着法で、ステンシルマスクを用いてソースドレインAu電極(50 nm)を形成した。

結果と考察 / Results and Discussion

有機半導体材料として、標準的なP3HTを用いて、OFETを作成したところ、ボトムゲート-ボトムコンタクト構造のOFETにおいては、ソースドレイン間電流が小さく、ノイズレベル以下であることがわかった。一方、ボトムゲート-トップコンタクト構造においては、良好なトランジスタ特性を観測できた。以上の結果から、P3HTにおいては、トップコンタクト構造である必要があることが明らかとなった。 これは、ソースドレイン電極材料の金と有機半導体のコンタクト抵抗の違いが原因であると考えられる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

・その他ARIM利用機関:広島大学(JPMXP1222HK0006) 


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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