利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.26】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23WS0002

利用課題名 / Title

ダイヤモンドナノピラー中のSiVセンター形成に関する研究

利用した実施機関 / Support Institute

早稲田大学 / Waseda Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者)/Internal Use (by ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

生体イメージング/ In vivo imaging,リソグラフィ/ Lithography,膜加工・エッチング/ Film processing/etching


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

谷井 孝至

所属名 / Affiliation

早稲田大学 基幹理工学部 電子物理システム学科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

石井 智己,COE Lindsay isabelle,大本 将也

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

野﨑 義人,加藤 篤,星野 勝美

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

WS-003:電子ビーム蒸着装置
WS-007:ICP-RIE装置
WS-012:電界放出型 走査電子顕微鏡
WS-015:電子ビーム描画装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

ダイヤモンド中のSiVセンターは、褪色や明滅がなく、鋭い蛍光スペクトルを有することから、量子センシング(温度計測)、量子通信(単一光子源)、生体分子の蛍光標識(蛍光色素代替)への応用が期待されている。しかしながら、ダイヤモンドへのSiイオン注入により形成されるSiVセンターは、CVD合成中の不純物としてSiを取り込ませて形成されるSiVセンターよりも低い蛍光強度を示す。イオン注入はSiVセンターの位置制御性に優位であることから、Siイオン注入によるSiVセンターが低い蛍光強度を示す原因、さらには、多少の蛍光強度の減少を補完できるダイヤモンド表面構造の作製が求められる。

実験 / Experimental

2021年度から2022年度にかけて、ダイヤモンド表面にナノピラーを形成することで、SiVセンターでなく、NVセンターの蛍光強度を増強できることを実験的に示した(22WS0035, DOI 10.35848/1882-0786/acede9)。その作製プロセスを踏襲しつつ、NVセンターとは異なるSiVセンターの蛍光波長に共鳴するようにナノピラーの寸法を調整した。基本的なプロセスは、2層レジストによるEB描画、Ti薄膜蒸着とリフトオフによるパターニング、Tiパターンをマスクとする酸素プラズマ中でのドライエッチングからなる。FDTD光学シミュレーションによる予測では、直径250nm、高さ500nmの円柱(ナノピラー)の上面近傍にSiVセンターを形成すると、上面から底面への光子放出でなく、上面から上方(空気側)への光子放出が増強されることを見出している。よって、この形状のナノピラーの形成を試みた。

結果と考察 / Results and Discussion

上記のプロセスにより、ダイヤモンド基板表面にナノピラー配列が形成された(図1:目標円柱直径 250nm、目標円柱高さ 500nm)。SEM観察により、直径および円柱高さについて、目標値より大き目に作製されたことが確認されたが、直径については目標値付近で異なる直径を持つものも同時に作製していたので、目標値に近い構造も得られた。図1に示すように、側壁にテーパが生じることもSEM観察により確認された。また、ホトルミネッセンススペクトルは形成されたカラーセンターがSiVセンターであることを示した。現在、ダイヤモンドの上面から空気側への光子放出と上面から底面方向への光子放出を、それぞれダイヤモンドの表面側(ナノピラー形成面)から取得した共焦点顕微鏡像と裏面側から取得した共焦点顕微鏡像とを比較することにより、ナノピラー構造中にSiVセンターを形成することの効果を評価している段階である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 電子線リソグラフィとドライエッチングにより形成したダイヤモンドナノピラーのSEM像.鳥瞰観察により、上下逆転している。2つとも同条件(目標値:直径250nm、高さ500nm)で作製された。


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る