【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2024.07.02】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22WS0106
利用課題名 / Title
シリコンアレー導波路回折格子の作製
利用した実施機関 / Support Institute
早稲田大学 / Waseda Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
シリコン細線導波路、光フィルタ、アレー導波路,膜加工・エッチング/Film processing and Etching,蒸着・成膜/Evaporation and Deposition,EB,光導波路/ Optical waveguide
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
ヘインサル シーム
所属名 / Affiliation
早稲田大学理工学術院
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
周 寒
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
由比藤勇,加藤 篤
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
WS-015:電子ビーム描画装置
WS-003:電子ビーム蒸着装置
WS-007:ICP-RIE装置
WS-012:電界放出型 走査電子顕微鏡
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
シリコン導波路を用いた光機能デバイスは、シリコンフォトニクスと呼ばれ、導波路は波長フィルタのような受動導波路のみならず、変調器や光スイッチ、光検出器、そして他の能動デバイスや異種材料とのハイブリッド接合により高機能な光集積回路の実現が可能である。ここではその中で、超高密度波長多重通信での精密な波長の合分波で不可欠なアレー導波路回折格子(AWG)の実現を試みた。AWGは、それぞれの長さが高精度に制御された一定の差を有する導波路幅400nm程度の数十本のシリコン単一モード導波路がアレー状に具備された光デバイスで有り、特に高性能特性を実現するためには導波路の幅、長さを数十nmのオーダーで制御して作製することが不可欠であり、通常は小回りのきかないが高作製精度のファウンドリなどに外注で作製することが殆どであるが、ARIMで整備された装置を用いて大学での作製を試みたものである。
実験 / Experimental
導波路の幅や作製精度の点から、パターン形成は電子ビーム描画装置を用い、またシリコン基板への形状形成はICP-RIEのドライエッチング、そのためのマスク材に電子ビーム蒸着によるNi膜を用いた。今回は、アレー導波路数は、波長分解能の基本特性の確認の点で24本とやや少なめにし、また導波路作製精度の点で電子ビーム描画装置のフィールドは600µmとしたが、それでも導波路数を鑑みて描画時に複数のつなぎが入ることになった。光デバイスは細いながらも長手の面積が必要となり、どうしても描画時につなぎが入るが、その際の導波路ずれによる散乱損失の低減も課題である。またドライエッチングも導波路全体に亘っての均一形成の確保も重要となり、そのためのマスク材の条件出しも重要となる。これらの観点に注意をしながら作製条件の検討を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
Fig.1に、アレー導波路数24本、チャンネル間隔0.8nm(100GHz)で作製したAWGデバイスのSEM写真を示す。またFig.2にその光出力スペクトル特性を示す。Fig.2(a)は多くのデータが重畳して分かり難いが、(b)はその一部を拡大したものであり、チャンネル間隔(波長ピーク間隔)約0.8nmと概ね設計通りの特性が得られているが、他方、隣接チャンネルでの強度比であるクロストークは約-10dB、挿入損失が約13dBとそれ程良好で無い。これはアレー導波路やその前後のカプラの幅や長さの作製寸法精度がまだ不十分であることを示しており、電子ビーム露光、ICP-RIE、そのためのマスク材の作製精度の向上など一層のプロセスの向上を図りたい。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig.1 シリコンAWGの各部分のSEM像
Fig.2 AWGの光出力スペクトル特性
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
電子ビーム描画装置の操作や基本的条件などでご指導頂いた由比藤勇先生に感謝致します。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- H. Zhou, S. Heinsalu, T. Sawa, Y. Matsushima, H. Ishikawa, and K. Utaka,“Simulation of wavelength switching performance of arrayed-waveguide grating wavelength selective reflector on SOI platform”、第83回応用物理学会学術講演会(秋季)、22p-P06-2、2022.
- H. Zhou, S. Heinsalu, Y. Matsushima, H.Ishikawa, and K. Utaka, “Polarization insensitive TE/TM mode-output controller By asymmetrical waveguides couplers on SOI platform”, Proc. MicroOptics Conference (MOC2022), #1047, 2022.
- 大島 拓賢, シーム へインサル, 管 貴志, 田中 英明, 石村 昇太, 高橋 英憲, 鈴木 正敏, 宇高 勝之, "多モード導波路を用いるスペックル生成器の小型化に関する検討" 第70回応用物理学会春季学術講演会(東京), 2023年3月16日
- Siim Heinsalu, Kazunori Fujimoto, Hirotaka Oshima, Takashi Kan, Hideaki Tanaka, Shota Ishimura, Hidenori Takahashi, Masatoshi Suzuki, Katsuyuki Utaka, "Analysis of low-loss silicon loop multimode waveguide for reservoir computing", 70th JSAP spring meeting, 3/16/2023
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件