利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.12】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22HK0107

利用課題名 / Title

フォトリソグラフィ技術によるX線レーザーイメージング用試料ホルダの作製

利用した実施機関 / Support Institute

北海道大学 / Hokkaido Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

X線自由電子レーザー,電子顕微鏡/Electron microscopy,放射光/Synchrotron radiation,リソグラフィ/Lithography,膜加工・エッチング/Film processing and Etching,原子薄膜/ Atomic thin film,フォトニクス/ Photonics


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

城地 保昌

所属名 / Affiliation

高輝度光科学研究センター

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

鈴木明大,新井田雅学,幸谷かおり,野﨑峻平,西野吉則

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

松尾保孝

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

HK-606:マスクアライナ
HK-621:反応性イオンエッチング装置
HK-401:収差補正走査型透過電子顕微鏡
HK-402:走査型透過電子顕微鏡
HK-404:超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

課題申請者らの研究グループは、X線自由電子レーザー施設SACLA(さくら)において、溶液中試料のナノイメージングが可能な新規イメージングシステムを開発している。本課題の目的は、窒化ケイ素(SiN)薄膜を蒸着したシリコン基板にフォトリソグラフィ技術を適用し、本イメージングシステムに不可欠な試料ホルダを作製することである。さらに、すでに製造プロセスが確立された汎用試料ホルダの量産だけでなく、試料ホルダの先端化・高機能化を目指した基礎検討も実施している。

実験 / Experimental

2022年度は、マスクアライナーや反応性イオンエッチング装置を利用して、300枚以上の試料ホルダを作製した。特に、生体粒子の単粒子イメージングを目指して、SiNの厚さが従来の1/10である20 nmの基板を利用した、超低バックグラウンド試料ホルダの作製プロセスの確立に注力した。作製した試料ホルダ表面の分析・評価には、各種の電子顕微鏡を利用した。

結果と考察 / Results and Discussion

試料ホルダ作製プロセスにおける洗浄工程と作製後の評価方法を確立することで、再現性良く、X線レーザー測定時に試料ホルダからの背景散乱強度を抑制することができた。その結果、従来の試料ホルダを利用した際は、その背景散乱強度に埋もれてしまっていた生体粒子からの信号を、感度よく検出できることが示唆されるデータを取得できた。今後、データ解析を進め、2023年度中の論文作成を目指す。また、作製した汎用試料ホルダを利用した研究結果が3報、インパクトファクターが10以上の学術論文誌に発表された。その結果に関したプレスリリースも実施し、日刊工業新聞などに取り上げられた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1. 作製した試料ホルダのデジタルマイクロスコープ像。1つのチップに24×24の窓が集積している。大きさ80 µm×80 µmの窓部分は厚さ20 nmの自立窒化ケイ素薄膜である。スケールバーは2 mm。


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

・科研費    (22K18698、22H04741)
・NEDO(燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型産学官連携研究開発事業)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Akihiro Suzuki, Femtosecond X-ray Laser Reveals Intact Sea–Island Structures of Metastable Solid-State Electrolytes for Batteries, Nano Letters, 22, 4603-4607(2022).
    DOI: 10.1021/acs.nanolett.1c04392
  2. Miki Nakano, Three-dimensional structure determination of gold nanotriangles in solution using X-ray free-electron laser single-particle analysis, Optica, 9, 776(2022).
    DOI: 10.1364/optica.457352
  3. Hirokatsu Yumoto, High-fluence and high-gain multilayer focusing optics to enhance spatial resolution in femtosecond X-ray laser imaging, Nature Communications, 13, (2022).
    DOI: 10.1038/s41467-022-33014-4
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 鈴木明大,“X線レーザーが照らし出す全固体電池材料の海島ナノ構造”,北海道大学電子科学研究所 創立30周年記念講演会,令和4年10月20日
  2. 鈴木明大,“X線結晶解析法の高感度化に向けた試料環境開発”,第25回高速分子動画オンラインセミナー,令和4年10月25日
  3. Akihiro Suzuki, “Probing Nanostructures with Coherent X-rays”, ARN Young Scientist Forum (AsiaNANO 2022), 令和4年11月9日
  4. Akihiro Suzuki, “Focused coherent X-rays open up new opportunities in microscopy”, The 23rd RIES-HOKUDAI International Symposium, 令和4年12月5日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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