【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.15】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22UT0441
利用課題名 / Title
新規金クラスターの合成研究
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
電子顕微鏡/Electron microscopy,ナノ粒子/ Nanoparticles,ナノワイヤー・ナノファイバー/ Nanowire/nanofiber
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
大井 昴幸
所属名 / Affiliation
東京大学
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
森田真理
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術補助/Technical Assistance(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
金属間結合を有する多核金属錯体は、金属間結合に由来する高い電気伝導性などの特徴的な物性が期待できる。単分子性の直線状多核錯体の合成研究を中心に精力的に研究がなされているが、そのトポロジーの制御は今なお未解決の課題である。これまでの多核金属錯体とは異なるトポロジーを有する新規物質群として本研究では、円形の鋳型分子の上に金原子を14原子配列させた金クラスターの合成を目指している(図1)。
実験 / Experimental
適切な環状鋳型分子に金原子への配位座を導入し、これに金(I)錯体を作用させることにより、金原子が複数環状鋳型分子に配位した目的化合物と想定される生成物を得た。得られた生成物を親水化処理を行ったALLIANCE製のホーリーカーボンフィルムコートTEMグリッド、および酸化シリコンメンブレンTEMウィンドウグリッドを用いてサンプルを作成し、JEM-ARM200F Thermal FE STEMを用いて観測を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
図2に今回測定した透過型電子顕微鏡像を示した。カーボン製(a)、酸化シリコン製(b)両方のグリッドにおいて、鋳型分子のスケールに相当する領域に、金原子に相当する明点が環状に配列した構造体を観測することができた。明点の個数は14個と、目的化合物における金原子数と一致している。さらに、この構造体を複数回にわたって観測すると、14個の明点がまとまって移動する様子が観測できる(図3)。この結果は、環状構造を形成するこれらの金原子が1分子に由来するものであり、照射した電子線によって分子が移動していることを示唆している。鋳型分子を用いることで金属原子のトポロジーを制御して配列することが可能であることを示唆している。今後、本利用課題で得られた知見をもとに、さらなる詳細な構造の解明を目指す。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 環状の金クラスター
図2 観測した環状構造体
図3 複数回にわたる環状構造体の観測画像
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件