利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.04.27】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22IT0005

利用課題名 / Title

Si基板上への正方形積層(Au/SiO2/Au)パッチの作製

利用した実施機関 / Support Institute

東京工業大学 / Tokyo Tech.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

メタサーフェス, 熱輻射制御, リソグラフィ・露光・描画装置


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

鈴木 健仁

所属名 / Affiliation

東京農工大学 工学研究院 先端電気電子部門

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

IT-001:電子ビーム露光装置
IT-002:電子ビーム露光データ加工ソフトウェア
IT-006:走査型電子顕微鏡
IT-008:3連Eガン蒸着装置
IT-018:スパッタ成膜装置(絶縁膜用)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

近赤外域で誘電性と磁性の両方を制御したメタサーフェスは、メタレンズへ応用することで、1000 K以上の高温の熱源から大気に放射される熱輻射の指向性を制御できる可能性がある。今回、100THz帯での誘電性と磁性の両方の制御に向け、Si地板上にAu、SiO2、Auの3層の正方形パッチを周期的に配置したメタサーフェスの作製を進めた。

実験 / Experimental

【利用した主な装置】電子ビーム露光装置、電子ビーム露光データ加工ソフトウェア、走査型電子顕微鏡、3連Eガン蒸着装置、スパッタ成膜装置(絶縁膜用)、触針式段差計、クリーンルーム付帯設備一式
【実験方法】 大きさ15 mm角、厚さ0.31mmのSi地板の中央の2.5mm角の領域に、Au、SiO2、Auの3層正方形パッチを周期的に配置し、メタサーフェスを作製した。正方形パッチの1辺の長さl、配置間隔s、Auの厚さt、SiO2の厚さdの目標値は、それぞれ340nm、150nm、20nm、50nmとした。
まず、スピンコータを用いて、Si地板上に厚さ500nmのPMMAを塗布した。スピンコータの回転数と回転時間はそれぞれ3800 rps、60秒とした。PMMAの塗布後、170度20分間の条件でPMMAをプリベークした。次に、Si地板上のPMMAにl = 280 nm、s = 200 nmのパターンで電子ビームを照射し、露光した。電子ビーム露光の加速電圧、照射電流、ドーズ量はそれぞれ100 kV、2 nA、650 mC/cm2とした。電子ビーム露光の露光パターン、加速電圧、照射電流、ドーズ量は、近接効果補正を行わずに目標値に近い寸法を作製できる条件とした。露光後、現像によりSi地板上に格子状のPMMAのレジストパターンを作製した。現像では、現像液MIBKへ60秒間浸漬した後、リンス液IPAで45秒間洗浄した。現像後、Au、SiO2、Auの順番に3層を成膜した。Auは電子ビーム蒸着で成膜し、AuとSiO2、AuとSiのそれぞれの密着度を上げるための接着層として厚さ5nmのCrを用いた。SiO2はスパッタリングで成膜し、スパッタリングパワーと成膜時間はそれぞれ120Wと25分とした。最後に、リフトオフによりSi地板上にAu、SiO2、Auの3層の正方形パッチを作製した。リフトオフでは、2日間アセトンに浸漬した後、140度のアセトンで10分間ボイリングした。

結果と考察 / Results and Discussion

図1(a)–(c)はそれぞれ作製したメタサーフェスの(a)全体写真と(b)(c)FE-SEM画像である。FE-SEMでの観察より、Si地板上の中央の2.5mm角の領域に、Au、SiO2、Auの3層の正方形パッチを周期的に約5100×5100個作製できていることを確認した。FE-SEMで観察した作製値はl = 320nm、s = 170nmであり、目標値との誤差はそれぞれ-20nmと+20nmであった。今後、作製したメタサーフェスの質量分析や断面の観察などにより、作製したメタサーフェスの構造の正確な把握を進める。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 作製したメタサーフェスの(a)全体写真と(b)(c)FE-SEM画像


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

東京工業大学梅本髙明先生、山口武先生、宮本恭幸先生に深く感謝を申し上げます。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 劉, 朝田, 鈴木, “熱輻射の指向性制御に向けた100THz帯メタサーフェスの作製と実験,” テラヘルツ科学の最先端IX, P-16, フェニックスプラザ, Nov. 2022.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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