【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.04.30】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22IT0004
利用課題名 / Title
超電導/スピントロにクス材料接合素子の作製とその近接効果の評価
利用した実施機関 / Support Institute
東京工業大学 / Tokyo Tech.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)その他/Others
キーワード / Keywords
リソグラフィ, 成膜, 膜加工, エッチング, 表面処理, 形状・形態観察, 分析
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
三宅 玄悟
所属名 / Affiliation
東京工業大学
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
梅本高明
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
IT-001:電子ビーム露光装置
IT-002:電子ビーム露光データ加工ソフトウェア
IT-004:マスクレス露光装置
IT-006:走査型電子顕微鏡
IT-012:リアクテブイオンエッチング装置
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
強磁性体のスピン分極率の定量評価を可能にするスピントロニクスデバイスの開発を目的とし、ハーフメタル強磁性体Co2FeAl0.33Si0.67合金のアンドレーエフ反射を用いた測定に取り組んだ。
強磁性体/超伝導体界面の近接効果であるアンドレーエフ反射を利用した特性評価のため、Co2FeAl0.33Si0.67/Nb接合を直径100nm以下の円柱に加工し、積層方向の電流電圧特性を測定する必要がある。本研究では、ARIMの電子ビームとマスクレスリソグラフィーを用いて、このような構造のデバイスを作製し、スピン分極率の評価を行った。
実験 / Experimental
対向ターゲット式スパッタリング法を用いてMgO Sub./ Co2FeAl0.33Si0.67/Nb/Ta/Cr/W/Crの積層構造を作製する。CFASは基板温度600 ℃で成膜し、それ以降の成膜温度は60 ℃以下である。Cr/W/Crはハードマスク用の三層である。その後、電子ビーム露光装置とマスクレス露光装置を用いて、直径50nm、500nmの円柱を含むデバイスを作製することでスピン分極率の評価を行った。500nmの円柱を含むデバイスを作製した理由は、50nmの円柱を含むデバイスから寄生抵抗を差し引くためである。
結果と考察 / Results and Discussion
I-V測定により円柱の直径依存性の確認が出来たため、設計通り、円柱のみに電流が流れていることが分かった。ここで、寄生抵抗の差し引きにより抽出した50nmの円柱の抵抗成分を、アンドレーエフ反射のモデルの式で解析するため、微分コンダクタンスに変換した。この結果から電圧に対して微分コンダクタンスが変動しているため、Fig.1に示すようにアンドレーエフ反射のモデルを組み込んだ式でフィッティングした。これによりCFASのP=46%が得られたため、ARIMの装置を用いて作製したデバイスによる評価が成功した。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig.1: 微分コンダクタンスの依存性および回路モデル
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
・ 参考文献 E. Matsushita, Y. Takamura, S. Nakagawa,
Journal of Magnetism and Magnetic Materials 562, 169796 (2022).
・ 科学研究費補助金 基盤研究(C),“超伝導スピンバルブ・ジョセフソン接合の創成,”課題番号21K04818,高村陽太(代表).
・ 共同研究者:東京工業大学 高村陽太、中川茂樹
・ 梅本様に感謝を申し上げます.
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
-
M. Landreh, The formation, function and regulation of amyloids: insights from structural biology, Journal of Internal Medicine, 280, 164-176(2016).
DOI: 10.1111/joim.12500
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 三宅 玄悟, “超伝導/スピントロニクス材料接合素子によるスピン分極率の評価”, 東京工業大学工学院電気電子系 物性グループ 修士課程修士論文発表会, 2023年2月1日.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件