【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.28】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22TT0035
利用課題名 / Title
弾性波デバイス用支持基板のための金属成膜
利用した実施機関 / Support Institute
豊田工業大学 / Toyota Tech.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
熱処理,表面処理,形状・形態観察,水晶,金膜の密着性,蒸着・成膜/Evaporation and Deposition
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
安部 隆
所属名 / Affiliation
新潟大学大学院自然科学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
佐々木実,韓剛
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
TT-015:デジタルマイクロスコープ群
TT-025:抵抗加熱蒸着装置
TT-008:洗浄ドラフト一式
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
浄水場での水処理の凝集工程では、天候や季節に応じて日々変動する水質に対応した、凝集剤の適切な投入量制御が求められる。現在は、天候や季節をもとにした熟練職員の経験と,人手をかけた水質試験に頼っている。リアルタイム凝集モニタリングができれば有効である。研究室では水晶を利用した容量センサを試作してきたが、センサ試作に必要な、所有の成膜装置が故障中のため、技術代行による成膜を依頼した。
実験 / Experimental
センサとなる水晶基板はAngle 2°58’±2’ Pure Z AT Cut, 直径φ12mm, X flat 11.5mm, Polished, t=0.1mmである。良質な、金電極膜(Au 100nm, Cr 10nm程度)を成膜するには、蒸着中の基板加熱が必要なことは分かっていた。4源の抵抗加熱蒸着装置の電流導入端子を改造し、基板加熱ヒータに接続する改造を施した。Fig. 1に基板固定の模式図を示す。水晶基板の全面に金蒸着するため、両面テープ(寺岡製作所カプトン両面テープNo.760H, NO.760H #25, 5mm x20m)を使って固定した。蒸着後に基板を割らずに剥がせるよう、テープ幅を細く切り、軽めに置いた。
結果と考察 / Results and Discussion
Fig. 2は蒸着した基板である。密着性評価のため、超音波洗浄をかけたところ、金膜がほぼ剥がれてしまった後の写真である。Fig. 2(a)は全体像である(左側は定規スケールで一目盛1mm)。基板加熱自体は、予備実験にて、約150℃に達することを確認していた。また、別のSi基板にてリフトオフで金のパターンが問題無く得られていた。以上から、基板の固定方法を問題視した。すなわち、細切りにした両面テープで、加熱固定台と水晶基板を固定したため、熱伝導が十分得られず、水晶表面の温度が上がらなかったと推測する。両面テープに接していない基板領域では、金が全く残っていない。Fig. 2(b)はX flat近辺に金が残っている様子で、両面テープがあった反対面である。類似の蒸着を同じ新潟大学から依頼されており、次回は両面テープ固定をしないで蒸着することとした。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1 Schematic drawing of quartz substrates setting on the heater stage.
Fig. 2 (a)Whole view of quartz substrate after Au/Cr deposition and ultrasonic wave washing. Almost Au film is removed.
(b)Magnified substrate showing the remained Au dots on the substrate.
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
・参考文献 Hajime Satani, Kuraudo Yasuda, Masayuki Sohgawa, Takashi Abe, “Temperature characteristics of a thickness shear mode quartz crystal resonator bonded to a support substrate”, Appl. Phys. Lett. 121, 252903 (2022); doi: 10.1063/5.0132804
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件