【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.24】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22TT0008
利用課題名 / Title
自由曲面フォトマスク及び電子回路形成の高度化
利用した実施機関 / Support Institute
豊田工業大学 / Toyota Tech.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
リソグラフィ/Lithography,膜加工・エッチング/Film processing and Etching,IoTセンサ/ IoT sensor,ナノエレクトロニクスデバイス/ Nanoelectronics device,アクチュエーター/ Actuator
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
井川 光弘
所属名 / Affiliation
東京大学大学院工学系研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
長谷川達生
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
佐々木実,花木美香
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
TT-005:マスクレス露光装置
TT-006:マスクアライナ装置
TT-008:洗浄ドラフト一式
TT-015:デジタルマイクロスコープ群
TT-018:非接触3次元表面形状・粗さ測定機
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
本研究は、フォトリソグラフィ法等では対応が著しく困難な自由曲面形状上に、各種電子デバイスを、近常温・常圧下における塗布のみを用いて、印刷製造する技術の開発を目的としている。これまでに、豊田工業大学ナノテク支援プラットフォーム及びARIMの支援により、曲面ガラス上への機能性パターン転写法を検討し、凸面 (曲面形状: φ52mm、曲率半径: 28~48mm)及び同様な凹面への高精細レジストパターン形成を可能とし、線幅10mm以下の配線パターンを有する高精度な曲面フォトマスクの製造とそれを用いた印刷技術の高度化に成功している。本検討では、配線のみならず曲面デバイスを構成する各層の製造方法とデバイス化に必須となり得る積層化技術を最適化し、さらなる高度化を図る。
実験 / Experimental
曲面形状上における電子配線の形成においては、専用の印刷製造装置の開発及び曲面塗布法の最適化により、従来技術では成し得ない形状自由度と精細度の両立を達成している。最適化した印刷技術は電子配線のみならず、インク化ができれば他の電子素材にも応用可能であることから、印刷が可能な有機半導体や可溶性の強誘電体材料に適用することで、様々なアプリケーションへと活用対象が広がる。今回、これらを実証すべく、曲面上への有機半導体及び強誘電体薄膜パターンの形成可否を検討した。使用した曲面フォトマスクはこれまでと同様、豊田工業大学(ARIM)にて製造いただき(曲率半径: 35mm)、曲面への印刷はスーパーナップ法[1]を改良した多孔質体印刷[2]を適用した。有機半導体は代表的な高分子有機半導体であるP3HTを用い、強誘電体材料は可溶性の分子性強誘電体材料を用いそれぞれを溶媒に溶かしてインク化した。
結果と考察 / Results and Discussion
本検討で形成した曲面上への有機半導体及び強誘電体薄膜の印刷パターンをFig.1 に示す。いずれも曲面上への良好な印刷が可能であった。平面に作製したデバイスにおいては下地の自由度が大きく、配線印刷形成に必須であったフッ素系材料はこれらの形成時には不要となることを確認しており、有機トランジスタでは優れた電界効果移動度を、圧電素子においては、良好な正の圧電特性(d33特性)を示した。ターゲットを含めた今後の開発指針に対し有用なフィードバック材料となった。前回までに最適化した配線形成技術と今回の成果を組み合わせ、今後、試作を繰り返すことで、アライメント法の最適化やこれら曲面デバイスの性能評価を実施し、ターゲットの選定へとつなげる。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig.1 P3HT patterns on curved plastic film (left), and the Ferroelectrics patterns in a similar way (right)
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
・参考文献
[1] Yamada et al. Nat. Commun. (2016)
[2] 特願 2022-087925
・A-STEP(JST) 「自由曲面上への高精細電子回路の
全印刷製造技術の開発」
・CREST (JST) 「実験・計算・データ科学融合による塗布型電子材料の開発」
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 井川光弘, ”スポンジでゴシゴシっと配線印刷、曲面ワークに線幅10µm!”, JST 戦略的創造研究推進事業 新技術説明会, 2023年1月20日. (オンライン開催)
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:1件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件