利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2024.03.23】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22TT0005

利用課題名 / Title

マイクロフィジカルセンサの構造形成

利用した実施機関 / Support Institute

豊田工業大学 / Toyota Tech.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

光学顕微鏡/Optical microscopy,電子顕微鏡/Electron microscopy,リソグラフィ/Lithography,膜加工・エッチング/Film processing and Etching,スパッタリング/Sputtering,MEMSデバイス/ MEMS device


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

畑 良幸

所属名 / Affiliation

名城大学 理工学部 メカトロニクス工学科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

TT-001:スパッタ(金属、絶縁体)蒸着装置
TT-006:マスクアライナ装置
TT-008:洗浄ドラフト一式
TT-010:Reactive Ion Etching 装置(非Boschプロセス)
TT-015:デジタルマイクロスコープ群


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 SOI(Silicon on Insulator)基板からなるマイクロフィジカルセンサのAlパターンを形成した。スパッタ蒸着装置(TT-001)を用いて500nm厚のAl薄膜を成膜し、マスクアライナ装置(TT-006)と洗浄ドラフト(TT-008)を用いてフォトリソグラフィ及びAlエッチングを行なった。また、Vapor HF装置(登録装置外)を用いてSOI基板のBOX(Buried Oxide)層をエッチングし、センサ構造をリリースした。観察にはデジタルマイクロスコープ群(TT-015)、表面形状測定器(TT-017)及びSEM (Scanning Electron Microscope)(登録装置外)を用いた。Alパターンの形成とBOX層のエッチングによるセンサ構造のリリースを確認することができた。

実験 / Experimental

 マイクロフィジカルセンサの作製プロセスフローの概略図を図1に示す。SOI基板の表面にスパッタ蒸着装置(TT-001)を用いて500nm厚のAlを成膜した。レジストにOFPR-800LB(23cP)を用いて2000rpmの回転数で塗布し、90℃のもと120秒間ベークを行なった。マスクアライナ装置(TT-006)によってフォトリソグラフィを行い、リン酸・硝酸・酢酸・純水(15:1:2:1)の混合液を用いてAlのエッチングを約3分間行なうことによって約200μm角のAlパッドを形成した。別機関においてDRIE (Deep Reactive Ion Etching)によってセンサ構造を形成した際のレジストを除去するため、Reactive Ion Etching装置(TT-010)を用いてアッシングを行なった。ダイシング装置(TT-013)によって5mm角程度のチップにし、Vapor HF装置(登録外装置)を用いた3~4.5時間のエッチングによってBOX層を除去した。これによってセンサ構造をSOIのハンドル層からリリースした。観察にはデジタルマイクロスコープ群(TT-015)、表面形状測定器(TT-017)及びSEM (登録装置外)を用いた。また、センサ構造のリリースはテープによるピーリングテストによっても検証した。

結果と考察 / Results and Discussion

 全工程後のセンサ構造のSEM写真、断面SEM写真(ピーリングテスト後)、アルミ電極のデジタルマイクロスコープ写真をそれぞれ図2、図3、図4に示す。Vapor HF装置によってBOX層がエッチングされ、かつAl電極が残っていることから、良好にセンサ構造を形成することができた。テープを用いたピーリングテストによっても、センサ構造のリリースを確認することができた。課題としてはVapor HFエッチングのレートのばらつきとAl電極の密着性が挙げられる。密着性に関してはAlスパッタ前の処理を工夫することで改善が期待できる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 作製プロセスフローの概略図



図2 センサ構造の全体SEM写真



図3 センサ構造の断面SEM写真(ピーリングテスト後)



図4 Al電極のデジタルマイクロスコープ写真


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

豊田工業大学の技術支援者からオペレーショントレーニングを受けた。感謝いたします。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 武田悠吾,川野遥暉,畑良幸,”高精度化に向けたForce Rebalance 制御とデカップリング構造をともなった高Q 値2 軸加速度センサの構想提案と検証デバイスの作製”,令和5年度電気学会センサ・マイクロマシン部門総合研究会,令和5年6月30日
  2. 川野遥暉,武田悠吾,畑良幸,”高精度化に向けた真空封止とデカップリング構造をともなった振幅変調型加速度センサの動作検証”,令和6年電気学会全国大会,令和6年3月15日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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