【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.29】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22TT0001
利用課題名 / Title
三次元微細加工に関する機器類開発とその応用
利用した実施機関 / Support Institute
豊田工業大学 / Toyota Tech.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
成膜、形状・形態観察、エッジバンプフリー、小片チップ、微細パターン,リソグラフィ/Lithography
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
和島 達希
所属名 / Affiliation
株式会社ハイブリッジ
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
佐々木実 教授,石井清 研究補助員,福本由美子 研究補助員
利用形態 / Support Type
(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub),技術代行/Technology Substitution
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
TT-006:マスクアライナ装置
TT-008:洗浄ドラフト一式
TT-015:デジタルマイクロスコープ群
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
デバイス試作を伴う研究では、高価な基材を利用することが多い。例えば、ICチップに追加工を行う試作、GaNなどの新材料の基板を使う試作、である。このようなウェハは高価なため、円板のままでは使わず、多数の小片に切り分けて、条件を様々に変更して研究に利用される。多くは20mm角程度の小片基板になる。小片一個当たり1万円程度のことが多い。これにパターン転写するには、フォトレジスト膜を塗る必要があるが、円板用のスピン成膜では均一なレジスト膜を塗ることが難しい。特に、小片端部に、エッジバンプと呼ばれる丘が生じる。これがパターン転写時に、フォトマスクとレジスト膜の間にギャップを発生させるため、基板全体で回折ぼけが入り、微細パターンが忠実に得られなくなる。 豊田工業大学の佐々木教授が考案した立体サンプル向けの方法では、液体レジストを基板に塗るのではなく、アイセロ社のSOシートにスピン成膜した後に、固体となった膜を貼る。小片基板よりも広い面積でレジスト膜を用意し、膜厚が均一な領域を貼ることで、エッジバンプの影響を受けずに、基板上に均一膜が用意できる[1]。弊社はレジスト膜の貼付け器具を開発したが、これを試作に利用・検証すると共に、応用を検討した。
実験 / Experimental
ナノPF事業JPMXP09F21TT0003に引き続き、弊社開発の貼付け器具を使って、小片基板へのレジスト膜貼付けによる有効性検証を行った。本実験では、フォトマスク上に水溶性PVA膜をスピン成膜し(膜厚約1μm)、更に、その上にフォトレジスト(AZ1500, 4.4cP)を1000rpmにて成膜した(膜厚0.7μm)。フォトマスク側から紫外線露光し、フォトマスクとレジスト膜がほぼ密着した状態で、潜像を転写した。転写の質が要求される、微細なギャップ構造を持つ電極パターンである。フォトマスクから剥がした潜像付きレジスト膜を、17mm角SOI(Si-On-Insulator)基板に貼り付けた。PVAを水で溶解した後、現像し、得られたパターンを観察した。
結果と考察 / Results and Discussion
Fig. 1は小片基板上に得られた微細パターンである。構造は写真下方向に500μm幅がある。(a)平面櫛歯パターンは、櫛歯側面の重なり部分のギャップが設計幅1.5μmである。中心部分はサスペンションで支持された振動子となる。(b)単純な電極ギャップは設計幅1.0μm(写真中央、縦に一本走る)である。微細パターンが明確に得られた。これらのパターン幅は、アライナ装置を用いて、フォトマスクを基板に近づけて行うコンタクト露光では実現困難な値である。円板の基板であっても、幅3.0μmよりも微細なパターンは、プロジェクション露光やステッパ露光が使われた歴史がある[2]。このような微細パターンを、高価な装置を使わず、実現した。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig1.(a)Photo of the pattern obtained by pasting the resist film using the jig developed. Comb shape electrode having the minimum gap of 1.5μm.
Fig1.Photo of the pattern obtained by pasting the resist film using the jig developed. Simple parallel electrode having the gap of 1μm.
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
・共同研究者:佐々木実教授(豊田工業大学)
・参考文献:[1] Tomoya Onuki, Shigenori Saito, Minoru Sasaki, “Uniform resist
film on chip substrate prepared by bonding film coated on sheet”, 2021 7th
International Workshop on Low Temperature Bonding for 3D Integration
(2021.10.6) 6P-08. DOI: 10.1109/LTB-3D53950.2021.9598390, [2] 岡崎信次,「リソグラフィ技術その40年」第1章, S&T出版 (2016.12) ISBN978-4-907002-63-3.
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件