利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.04.28】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22CT0063

利用課題名 / Title

生体材料および高分子材料中における光機能色素分子の動的挙動に関する研究

利用した実施機関 / Support Institute

公立千歳科学技術大学 / Chitose IST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者)/Internal Use (by ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

円二色性分光,膜厚測定,紫外・可視分光,光学顕微鏡/Optical microscopy,赤外・可視・紫外分光/Infrared and UV and visible light spectroscopy,バイオセンサ/ Biosensor


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

川辺 豊

所属名 / Affiliation

公立千歳科学技術大学理工学部応用化学生物学科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

高畠聖弥,庄司直央,伊藤功喜,藤井拓未

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

CT-006:円二色性分散計 (CD)
CT-017:触針式表面形状測定器(Dektak)
CT-001:紫外可視近赤外分光光度計


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

隣接する電子供与性(ドナー)分子と受容性(アクセプター)分子の励起状態において形成されるエキシプレックスは、新たな色素レーザーや有機LEDの発光媒体として注目されている。本研究では高分子中に高濃度で共ドープしたトリフェニルアミン系ドナーTPDとオキサジアゾール系アクセプターPBDによって形成されるエキシプレックスの発光特性について、特にその分子間距離に対する依存性を評価した。

実験 / Experimental

母体高分子にはPMMAを用いた。全体に占める色素を10~80wt%とし、両色素の比率は1:1とした。クロロホルム溶液からスピンコートにより厚さ1mm程度の薄膜を作製し、吸収・発光スペクトルを測定した。また半導体レーザーパルス光源(80ps、375nm)とストリークカメラシステムを用いて各波長での時間減衰とスペクトルの時間変化の測定を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

吸収スペクトルには両分子の相互作用の影響は見られず、両者の和となった。一方、発光については、全ての試料において、TPDに由来する発光とエキシプレックスによる発光の和として分離できた。両者の比は濃度に強く依存したが、実効的な分子間距離が0となるあたりに明確な変化が見られた。減衰挙動は概ねbiexponential関数でフィットした。これはエキシプレックスの発光緩和において、より寿命の長いトラップ準位(おそらくは三重項エキシプレックス)が存在することを強く示唆している。詳細な解析は今後行う予定である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

 本研究における装置利用に当たっては運営委員の伊勢崎政美博士の協力を得た。感謝の意を表する。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Beata Derkowska-Zielinska, Effect of 2-Methylthiazole Group on Photoinduced Birefringence of Thiazole-Azo Dye Host–Guest Systems at Different Wavelengths of Irradiation, Molecules, 27, 6655(2022).
    DOI: https://doi.org/10.3390/molecules27196655
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. Seiya Takabatake and Yutaka Kawabe “Light Emission Properties of Exciplex Formed in Polymer Thin Films,” RR-03, 22nd Chitose International Forum on Science & Technology, 30 Sept. 2022, Chitose, Japan.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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