【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.04.24】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22CT0031
利用課題名 / Title
バクテリアセルロース/多糖複合膜の調製と物性および構造評価
利用した実施機関 / Support Institute
公立千歳科学技術大学 / Chitose IST
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
高分子繊維材料,植物由来素材群,走査型電子顕微鏡,電子顕微鏡/Electron microscopy,バイオアダプティブ材料,生分解性材料
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
沼田 ゆかり
所属名 / Affiliation
小樽商科大学商学部一般教育系
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
込山草太朗,山田ちひろ
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
酢酸菌はセルロースを菌体外へ排出し、バクテリアセルロース(BC)と呼ばれるペリクル(ゲル)を培地と大気の界面に形成する。酢酸菌培養時、培地にκ-カラギーナンを添加し、カリウムイオン存在下でペリクルを精製することで、セルロースが多く含まれる白色層とκ-カラギーナンが多く含まれる透明層からなる二層構造のBC/κ-カラギーナン複合体ペリクルが得られる1)。本研究課題では精製時のカリウムイオン濃度及び、添加するκ-カラギーナン濃度を変化させて複合体を調製し、乾燥させた複合膜の構造解析および繊維形態の観察、引張強度の評価を行った。
実験 / Experimental
培地に対し0.3, 0.4, 0.5%となるようκ-カラギーナンを添加し酢酸菌を培養、ペリクルを得た。脱タンパク質として水酸化カリウム水溶液、その後の脱アルカリに塩化カリウム水溶液を用いて精製した。κ-カラギーナンゲル層を除去し、55℃で2日間熱乾燥させてシート状にした。減衰反射(ATR)法によるフーリエ変換赤外分光法(FTIR)でシート表面の構造解析、電界放出形走査型電子顕微鏡(FE-SEM)で形態観察を行った。さらに、引張に対する力学特性を調べた。
結果と考察 / Results and Discussion
構造解析の結果、κ-カラギーナンゲルを除去した面のATR-FTIRスペクトルにはBC由来の吸収がみられず、FE-SEMによる観察でもBC繊維がκ-カラギーナンに覆われていた。引張試験の結果では、κ-カラギーナンを添加したものはBCそのものよりも強くなることがわかった。κ-カラギーナン添加濃度0.4%が最も強くなったことから、材料として活用するにはκ-カラギーナン添加量にも適量があることが示された。さらに、シート状態とゲル状態¹⁾とではκ-カラギーナン添加による引張強度への影響が異なることが示された。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
(参考文献)1) Y. Numata, S. Yoshihara, H. Kono, “In
situ formation and post-formation treatment of bacterial
cellulose/κ-carrageenan composite pellicles” Carbohydr. Polym. Technol.
Appl., 2, 100059, 2021
(謝辞)
FE-SEMによる観察で技術補助いただいた、公立千歳科学技術大学の伊勢崎政美氏に感謝いたします。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 山田ちひろ,沼田ゆかり,”バクテリアセルロース/κ-カラギーナン複合体シートの調製”第57回高分子学会北海道支部研究発表会,2023年01月
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件