【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.04.24】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22NM0083
利用課題名 / Title
資源・エネルギー転換反応のための触媒および電極材料の微細構造解析
利用した実施機関 / Support Institute
物質・材料研究機構 / NIMS
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies
キーワード / Keywords
再生可能エネルギー材料,担持白金触媒,メタンカップリング,電子顕微鏡/Electron microscopy,燃料電池,電極材料,資源循環技術
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
平原 実留
所属名 / Affiliation
埼玉大学
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
荻原 仁志
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
当グループでは資源/エネルギー変換に関連する固体触媒、電極触媒、及び電解質材料の研究に取り組んでいる。本研究課題では開発材料の構造物性相関の解明を目的として、電気化学反応又は熱反応による物質転換プロセスを目指した固体触媒、並びに燃料電池用途を目指した固体高分子電解質膜の微細構造解析を行った。
実験 / Experimental
(1)固体触媒の構造評価:酸化物担体表面にナノサイズの金属粒子を固定化した固体触媒を合成した。触媒粒子をエタノール中で超音波分散し、TEM観察用のマイクログリッドに滴下した。加速電圧200 kVにてTEM/STEM/EDX観察した。(2)固体高分子電解質膜の構造評価:耐熱性高分子骨格を主鎖構造として側鎖にスルホン酸基を有するブロック共重合体を合成、製膜した。ウルトラミクロトーム技術により超薄切片を作製し、鉛イオンによる電子染色を行った。加速電圧200 kVにてTEM/STEM/EDX観察した。利用装置:実動環境対応物理分析電子顕微鏡JEM-ARM200F-G
結果と考察 / Results and Discussion
メタン脱水素カップリングに活性を示すPt/Al2O3触媒の構造解析を行った。STEM観察から,Al2O3担体上に数ナノメートルのPtナノ粒子が分散して存在することがわかった (Fig.1a)。この微細なPt粒子がメタンをカップリングする触媒として機能すると考えられる。さらに,反応後の触媒の解析から,メタンカップリング反応中にPt粒子が微細化および形態変化している可能性が示された。反応中の触媒の構造変化については,今後,複数のキャラクタリゼーションを組み合わせて詳細な解析を進める計画である。
次に、優れたプロトン伝導性及び発電特性を示した固体高分子電解質膜の内部構造解析を行った。BF-TEM観察より、本電解質膜は明瞭なミクロ相分離構造を形成し、疎水部が球状のドメインを形成していることが明らかとなった。HAADF-STEM 観察により更なる解析を行い、球状の疎水部ドメインの周囲に連続・連結した親水部ドメインを形成することがわかった (Fig.1b)。この相分離構造は膜内部と界面近傍において同様の形態を示した。以上より、本材料では連続・連結したプロトン伝導領域を膜全体に形成することで、優れたプロトン伝導性を発現したことが明らかとなった。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig.1 (a) HAADF-STEM image of Pt/Al2O3 catalyst, (b) HAADF-STEM image of multiblock-typed PEM.
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
科研費:課題番号 21K05193
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 友野 樹,髙村 陸,平原 実留,荻原 仁志,黒川 秀樹,"Pt/Al2O3触媒を用いたメタン脱水素多量化反応における水素添加効果",第130回触媒討論会 (富山),1D07,令和4年9月20日.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件