利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.15】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22NM0059

利用課題名 / Title

Si深掘り穴内壁への絶縁膜形成

利用した実施機関 / Support Institute

物質・材料研究機構 / NIMS

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

スパッタリング/Sputtering,CVD,3D積層技術/ 3D lamination technology


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

居村 史人

所属名 / Affiliation

産業技術総合研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

池田伸一

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NM-633:SiO2プラズマCVD装置 [PD-220NL]
NM-624:顕微分光膜厚計 [F54-XY-200-UV]
NM-608:スパッタ装置 [JSP-8000]


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

近年、3次元積層チップの研究開発が広く進められている。この3次元積層チップ間は、シリコン貫通電極(TSV: Through Si Via)で電気的に接続される。これまでに、ミニマルファブでは、ミニマルSi深掘り(DRIE)装置を開発し、Siエッチング側面が滑らかなスキャロップフリーのプロセス技術が開発されている。TSVとSi基板間は絶縁されなければいけないため、DRIE後のTSV内側壁の絶縁膜(TEOS)成膜にプラズマCVD装置を用い、Si深掘り穴の内壁にどのようにTEOS膜が成膜されるか評価した。

実験 / Experimental

TSV形成プロセス形成には基本的にミニマルファブを用い、TEOS成膜のみ本利用施設のプラズマCVD装置を用いた。まず、ハーフインチSiウェハをSPM洗浄、DHF洗浄を行い、DRIE用レジストマスクパターンをフォトリソグラフィーで形成した。フォトレジストは膜厚3μm厚とした。DRIE、O2プラズマアッシング、アセトン, IPA洗浄を行った後、O2流量195sccm、TEOS流量5sccm、成膜時圧力80Pa、RFパワー50W、基板温度350℃、成膜時間40分の条件下でTEOS成膜した。その後、ミニマルスパッタ装置を用いて、密着層Tiスパッタ、めっきシード層Cuスパッタを行った。成膜後は断面SEM観察を行い、膜厚、カバレッジの成膜形状の評価を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

Cuシードスパッタ成膜後にTSVサイズφ10μmの断面SEMを行った。断面SEM観察の結果より、TSV上部入口付近のTEOS膜厚は約600nmであり、これと比較して、TSV深さ約60μmの側壁には膜厚200nmと薄く成膜されてした。Si側壁はスキャロップが無くスムースなため、TSV側壁には連続してTEOS膜が成膜されていることがわかった。Cuシードスパッタ膜についてもTSV深さ60μmでは、膜厚約40nmと薄かったが、TSV内側壁で連続膜となっていることがわかった。これにより、電解Cuめっき時においてTSV底にも電流を流しめっき成膜を可能にすることが期待できる。このスキャロップフリーTSV側壁形成プロセスがその後の絶縁膜、シード膜形成に有効に機能することがわかった。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 居村史人, 田中宏幸, 大澤孝治, 髙野拓郎, 鐘堂健三, 寺澤靖雄, クンプアン ソマワン, 原 史朗, “ミニマルファブによるシリコン貫通電極のプロセス開発”, 2022年3月24日
  2. 居村史人, 田中宏幸, 大澤孝治, 髙野拓郎, 鐘堂健三, 寺澤靖雄, クンプアン ソマワン, 原 史朗, “ミニマルファブによるシリコン貫通電極のプロセス開発(II)”, 2022年9月20日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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