利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.16】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22NM0039

利用課題名 / Title

チオフェノール系高分子の開発

利用した実施機関 / Support Institute

物質・材料研究機構 / NIMS

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

赤外・可視・紫外分光/Infrared and UV and visible light spectroscopy,異種材料接着・接合技術


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

李 進才

所属名 / Affiliation

東京大学工学系研究科マテリアル工学専攻

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NM-003:ラマン顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

チオール基は比較的反応性が高く、チオール基同士でジスルフィド結合を形成するほか、二重結合や三重結合への付加、金–チオール結合の形成などが容易に起こる。一方で、チオール基の反応性の高さは高分子の側鎖への導入を困難にしている。特に、チオフェノール基を側鎖にもつ高分子の合成はこれまで長年試みられてきたが、成功例はベンゼン環上にチオール基が1つのものに限られていた。2021年に、本研究室では新しい手法でベンゼン環上にチオール基が二つのものであるジチオカテコール基をもつポリマーの合成に成功した。今回は同じ手法でベンゼン環上にチオール基が1つもつチオフェノールポリマーを合成し、ラマン分光法によって確認した。

実験 / Experimental

市販原料から、三段階の反応を通じて、目標のチオフェノールポリマーを合成した。最後の反応である脱保護反応前後のポリマーはラマン顕微鏡(Renishaw)によって、チオール基の存在及び酸化によるジスルフィド結合の存在について、確認した。

結果と考察 / Results and Discussion

結果はFig. 1に示された。ラマン顕微鏡により、脱保護の後、波数2560cm-1のところに、チオール基由来のピークが観察された。一方で、脱保護の前に、当該ところにピークが存在しなかった。また、脱保護後でも、ジスルフィド結合(波数500cm-1付近)のピークが観察できず、酸化はほとんど発生しないことを示唆された。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1 Raman spectra of polymers before and after deprotection.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

This study was partially supported by  “Nanotechnology Platform Project” operated by the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology (MEXT), Japan (No. JPMXP09S21NM0029). 


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Jincai Li, A Simple and Feasible Synthetic Strategy towards Poly(4‐thiostyrene), Macromolecular Chemistry and Physics, 223, (2022).
    DOI: https://doi.org/10.1002/macp.202200092
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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