利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.04.24】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22NM0036

利用課題名 / Title

細孔径の異なる酸化物触媒上の貴金属粒子の観察

利用した実施機関 / Support Institute

物質・材料研究機構 / NIMS

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

触媒,Pt,ナノ粒子


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

久保 仁志

所属名 / Affiliation

田中貴金属工業株式会社

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NM-503:200kV電界放出形透過電子顕微鏡(JEM-2100F1)
NM-504:200kV電界放出形透過電子顕微鏡(JEM-2100F2)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 これまで我々はアルミナやシリカ等の酸化物担体上の貴金属粒子径をコントロールする為、各種の研究を進めてきた。2019年度は熱処理温度の影響、2020年度は担持率の影響、2021年度は熱処理時のガス雰囲気の影響について調査を行い報告した。熱処理温度や担持率は高いほど貴金属粒子が成長する事が確認され、熱処理時のガス雰囲気に関しては、空気よりも水素ガスの方が粒成長しやすい事が明らかとなった。これらの知見は貴金属粒子径コントロールにおいて有益な指針となりえる。 今年度は上述したこれまでの知見以外で、貴金属粒子径のコントロールについて検討を行った。具体的には、異なる細孔径のシリカ担体を準備し、それらにPtを担持して触媒化した後、それぞれPt粒子をTEM観察する事で、貴金属粒子に与える細孔径の影響を調査した。

実験 / Experimental

 細孔径の異なるSiO2ペレット担体(細孔半径:30, 50, 80 nm)に対して、Ptが1 wt%になるように含浸法で担持した。Ptの出発原料は塩化物を用いた。熱処理は水素気流下、250 ℃で行った。調製したサンプルをTable 1に示す。比表面積測定はBET法を用いた。
 TEM観察は以下の装置を使用した。 利用装置:200 kV電界放出形透過電子顕微鏡 (JEM-2100F1、JEM-2100F2)

結果と考察 / Results and Discussion

 サンプルA、B、CのTEMイメージを、Fig. 1にそれぞれ示す。倍率(スケール)は同じに合わせてある。TEMイメージ内の黒い物がPt粒子である。
 結論から述べるが、Ptの一次粒子径は3―6 nmで分布しており、サンプルA、B、Cで大きな違いは見られなかった(Fig. 1)。サンプルBでは大きな塊が見られるが、これは3―5 nmのPtの凝集体で1個1個は分離しているように見えた。
 サンプルAとCを比較すると、サンプルCのシリカの一次粒子はサンプルAよりも明らかに大きく、細孔径や比表面積も異なるが、Ptの粒子径に大きな差は見られなかった。 本報告の信頼性を高める為、CO吸着測定(CO吸着量によるPt平均粒子径の算出)も行った。Ptの平均粒子径はサンプルA、B、Cでそれぞれ5 nm、5 nm、6 nmとなり、殆ど違いがない事が確認され、TEM観察の結果と一致した。
 以上の結果より、Pt/SiO2において、細孔半径(30~80 nm)、比表面積(40~100 m2/g)の担体であれば、生成するPt粒子径に影響を与えない事が確認された。従って、本研究の範囲においては、この方法は貴金属の粒子径制御には適さないと結論した。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Table 1 調製したサンプル



Fig. 1 調製したサンプル
(a)サンプルA, (b)サンプルB, (c)サンプルC


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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