利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.15】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT1152

利用課題名 / Title

ナノ粒子計測のためのナノ構造形成とデバイス作製

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials

キーワード / Keywords

電子顕微鏡/Electron microscopy,スパッタリング/Sputtering,高品質プロセス材料/ High quality process materials,MEMSデバイス/ MEMS device,生分解性材料/ Biodegradable material,バイオセンサ/ Biosensor


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

一木 隆範

所属名 / Affiliation

東京大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

島田一輝,稲田瑞樹,神田循大,福原真拓,倉持宏実

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-704:高密度汎用スパッタリング装置
UT-711:LL式高密度汎用スパッタリング装置(2019)
UT-850:形状・膜厚・電気特性評価装置群
UT-713:カーボンコーター


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

生体ナノ粒子は, ナノサイズ特有の物性や機能を持ち, 様々な情報を持つことが知られている。これらを材料あるいは情報源として利用するには, 集団としての物性や機能の測定と並行して, 個別の特性を評価する必要がある。我々はナノ粒子の個別測定を目標として, 粒子固定用ナノアレイチップ等の開発を行ってきた。今年度はデバイスの応用性を高めるため, 生体吸収性ポリマー材料の特性評価や表面改質に関する研究, その場観察用高アスペクト比センサー針の作製に向けた条件検討を行った。

実験 / Experimental

高分子基板表面における微小電極の形成に向け、金属/高分子積層体のレーザー加工を行った。生体吸収性高分子材料であるポリ-L-乳酸(PLLA)を用い、マイクロモールディング法によって全長2 mm、先端径80 μmのマイクロニードルを作製した後、Moをスパッタリング法により成膜し、レーザーアブレーション(フルエンス 12.6 J/mm2, 周波数 140 kHz)により表面に電極(幅 50 μm)を加工した。その後、作製したマイクロニードルをブタ皮膚に刺入し、交流電圧(5.0 V, 1000 Hz)を印加して電流値を測定した。第2の電極はマイクロニードルの刺入地点から1 cm程度の位置に設置した。

結果と考察 / Results and Discussion

Fig.1に電極の加工結果を示す。レーザーアブレーションにより40.2±5.6 μmの電極が加工されていることを確認した。また、ブタ皮膚への刺入に伴い電極と皮膚の接触面積が増加し、電流値が増加することが確認された。以上の結果から、構築したプロセスにより3次元構造を有する生体吸収性エレクトロニクスが作製可能であることが示唆された。すなわち、金属/高分子界面のレーザーアニールにより、生理的環境下における安定性を向上した微小電極の加工が可能であることが示唆された。また加工したPLLA上Mo電極では、電極の表面粗さにより電解質液の電気伝導率が高く算出されることを確認した。最後に微小電極を付与したマイクロニードルを試作し、ブタ皮膚の電気計測を行うことで、構築したプロセスの微小3次元構造体への適用可能性を示した。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


マイクロニードル表面における電極加工


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

なし


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Yukihiro Kanda, Experimental and numerical studies of deformation of truncated-cone-shaped poly(L-lactic acid) microneedle during insertion, Applied Physics Express, 15, 106503(2022).
    DOI: 10.35848/1882-0786/ac9453
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. K. Shimada, et al, “Microwiring process for bioabsorbable electronics”, ICPST-39, 2022年6月18日.
  2. 島田一輝 他, “電解質溶液中で機能する生体吸収性電極の作製と評価”,第83回応用物理学会秋季学術講演会, 2022年9月22日
  3. K. Shimada, et al, “Microfabrication process of polymer/metal laminates for bioabsorbable electronics”, MNC2022, 2022年11月9日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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