利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.19】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT1092

利用課題名 / Title

ISFETセンサーの開発

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

成膜,分析,pH計測,スパッタリング/Sputtering,MEMSデバイス/ MEMS device,IoTセンサ/ IoT sensor


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

中嶋 秀

所属名 / Affiliation

東京都立大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

武田智子(東京大学)

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-711:LL式高密度汎用スパッタリング装置(2019)
UT-859:小型原子間力顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

化石燃料の燃焼により大気中に排出される二酸化炭素の増加に伴い,海洋酸性化が進行している. 海洋酸性化は,サンゴや貝類などの炭酸カルシウムを骨格とする海洋生物の骨格生成を阻害するだけでなく,サンゴ礁の砂地の溶解も引き起こす可能性があるため,そこに棲息する海洋生物への影響が懸念されている. そのため,サンゴ礁の砂地を構成している海底堆積物中の間隙水のpH分布を測定することは,海洋酸性化による生態系への影響評価に極めて重要である. 本研究では,海底堆積物中に埋め込むだけで深度方向のpH分布をリアルタイムに測定できるマルチチャンネル型イオン感応性電界効果トランジスタ(Ion Sensitive Field Effect transistor : ISFET) pHセンサーを開発し, 安定したpH測定とセンサーをアレイ化することによるpH分布測定を目指した.

実験 / Experimental

ゲート感応部には, イオン感応膜であるTa2O5 をイオンスパッタリングにより約32 nmに成膜した. また, 参照電極部は基板に銀/塩化銀ペーストを塗布し, 200℃で1時間焼成することで製作した. この基板と市販の電界効果トランジスタ (2SK308-Y) をはんだ付けによって接続し, 感応膜以外の部分をエポキシ樹脂で被覆しアレイ型のpHセンサーを製作した.

結果と考察 / Results and Discussion

開発したセンサーは, 全体で50×30×5 mm程度の大きさで, およそ5 mm間隔でpHセンサーが4個連結しており, 毎秒のpHを観測することができる. 駆動部には, アルカリ単一電池を2個使用し, 1週間連続で動作することを確認した. 市販のpH標準液(pH 4.01, 6.86および9.18)に対して安定した応答を確認した。今後、海水サンプルの応答評価に取り組む。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図. 作製したISFETアレイセンサー


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

共同利用させていただいた武田智子様(東京大学・理学系研究科)に感謝いたします。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 小川良太,中嶋秀,山本将史,鈴木拳太, 森岡和大,茅根創,武田智子,辺見彰秀, “マルチチャンネル型ISFET pHセンサーの開発および砂地堆積物中での鉛直pH分布の観測”日本サンゴ礁学会, 令和4年11月11日.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る