利用報告書 / User's Report

【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.09】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT1062

利用課題名 / Title

マスクレスダイレクトパターニングによる有機トランジスタの作製

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

有機トランジスタ、有機半導体、静電塗布法(ESD),蒸着・成膜/Evaporation and Deposition,高品質プロセス材料/ High quality process materials


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

山内 博

所属名 / Affiliation

東京電機大学工学部電子システム工学科田所研

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

森脇隆久

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-709:パリレンコーター
UT-850:形状・膜厚・電気特性評価装置群
UT-705:超高真空蒸着装置(ベルジャー)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

本研究ではシャドウマスクを使用しないで有機半導体薄膜をダイレクトパターニングを行う静電塗布法(ESD)を提案した。この方法は製造コストを下げることが可能であるが、所望の回路幅での成膜を実現することが不可欠である。エレクトロスプレー成膜の条件を探り、フレキシブル基板を用いた有機電界効果トランジスタを作製する。本研究の目的は「シャドウマスクを用いないESD法でマスクレスダイレクトパターニングを行い,有機電界効果トランジスタ(OFET)を作製する」ことである。

実験 / Experimental

有機半導体層の塗布には高電圧に印加したキャピラリーに溶液を充填し、塗布対象に吹き付ける構造とした。一般的には均一な薄膜を形成するために用いられるが、本研究では下部電極にも電圧を印加することで帯電した液滴の制御、及びパターニングを試みた(図1)。OFETの構造はボトムゲート・ボトムコンタクト型とした。この構造はエレクトロスプレーで成膜した有機半導体層に物理的なダメージを与えることなくトランジスタを作製することが出来るほか、有機半導体層が最上層となるため、それまでの製造プロセスならびに熱履歴などに影響されない。また、ドレイン/ソース電極やゲート電極を静電塗布時の対向電極としてマスクレスダイレクトパターニングを行うことができることからこの構造とした。ポリイミドフィルム基板上にゲート電極をスパッタ(自機関)によりAuを成膜後、絶縁膜をパリレンコータ(ARIM装置UT-709)で成膜し、ドレイン/ソース電極Auを真空蒸着(ARIM装置UT-705)によって成膜を行った。膜厚の確認は干渉膜厚計(ARIM装置UT-805)で行った。最後に電極に向かって2種類の溶液をマスクレスダイレクトパターニングし有機半導体層を成膜(自機関)し、OFETを作製した。ソースメジャーユニットを用いることで出力特性及び伝達特性を測定し(自機関)OFETの特性を評価した。

結果と考察 / Results and Discussion

本研究ではESD法を行う際に流れる電流量やパターニング幅を観測した。また、OFETの作製に挑戦し、移動度の算出を行った。キャピラリーへの印加電圧を上昇させると、スプレー時に流れる電流量は3つの段階(モード)を踏んで増加していく。今回の実験範囲では設定すると目標のパターニング幅に近く、安定したスプレー現象が得られると分かった。2種類のOFETの移動度は5倍程度異なり、ドレイン電流量は少ないものの、出力特性にてある程度トランジスタとしての特性が見られたOFETの半導体層をマスクレスダイレクトパターニングによって作製できた(図2)。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 実験装置構成



図2 作製したOFETの伝達特性


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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