利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.09】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT1053

利用課題名 / Title

低消費電力MEMSガスセンサの開発

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

電子顕微鏡/Electron microscopy,スパッタリング/Sputtering,EB,膜加工・エッチング/Film processing and Etching,電子顕微鏡/Electron microscopy,MEMSデバイス/ MEMS device


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

鈴木 雄二

所属名 / Affiliation

東京大学工学系研究科機械工学専攻

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-500:高速大面積電子線描画装置
UT-604:高速シリコン深掘りエッチング装置
UT-855:高精細電子顕微鏡
UT-900:ステルスダイサー
UT-602:気相フッ酸エッチング装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 本研究では,マイクロガスクロマトグラフィの低消費電力化に向け,低熱伝導率樹脂 Parylene C により形成されるサブミクロン多孔性パリレン構造を用いた新たなKnudsenポンプを開発し,また,従来の吸着材充填方式に代わるガス収着原理に基づく新規濃縮デバイスを提案し,ガス濃縮性能を実験的に定量評価することを目的とし,東京大学の設備を利用し,EBリソグラフィ,シリコン深掘りプロセス,形状観察を行った.

実験 / Experimental

 Knudsenポンプの作製に関しては,SOIウェハを基板とし,EBリソグラフィ及びDRIEプロセスでデバイス層上にシリコンピラー構造を,ハンドル層にヒートシンクを形成し,シリコンピラー間の隙間をパリレンCVDプロセスで埋めた後,BOX層及びシリコンピラーを除去し,パリレン多孔膜構造を作製した.
 VOC濃縮デバイスに関しては,フォトリソグラフィ及びDRIEプロセスでシリコン基板上に高S/V比三次元流路構造を形成し,流路構造の表面にパリレンCVDプロセスで収着膜を成膜した.また,基板の裏面に金属膜を成膜し,マイクロヒータを形成した.

結果と考察 / Results and Discussion

 図1に主なMEMSプロセスフォロー及び作製したパリレン多孔膜構造のSEM画像を示す.流路開口部測定寸法は528 nmであり,流路出口部を外付けニクロムヒータで加熱し,入口部を自然冷却させ,ポンプの動作確認ができた.また,測定したポンピング特性を,一次元熱伝導モデルで見積もった温度差情報を用いた動力学モデルと比較し,良好な一致性が得られた.
 図2に作製した流路部のSEM画像を示す.本実験では既知濃度のサンプルガスを濃縮デバイスに供給し,パリレン収着層に蓄積した後ヒータ加熱で吸収ガスを脱着させ,濃度変化を測定し,パリレンによる濃縮効果を確認した.

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig.1 MEMS process for designed Knudsen pump and SEM image of fabricated parylene channels



Fig.2 SEM image of silicon pillar array of a fabricated preconcentrator


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

参考文献:K. Morimoto et al., Macromolecules, 53(14), 6024-6031 (2020).


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 陳浩,鈴木雄二,森本賢一,“サブミクロンスケールパリレン流路構造を用いた低消費電力マイクロKnudsenポンプの開発”,第59回日本伝熱シンポジウム,令和4年5月20日
  2. 陳浩,鈴木雄二,森本賢一,“パリレンEのガス収着性を用いたマイクロ濃縮デバイスの開発”,熱工学コンファレンス2022,令和4年10月9日
  3. 陳浩,鈴木雄二,森本賢一,“パリレン多孔膜構造を用いたヒーター内蔵型Knudsenポンプの開発”,第13回マイクロ・ナノ工学シンポジウム,令和4年11月14日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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