利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.19】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT1050

利用課題名 / Title

2自由度ゼロコンプライアンス式力測定機構の製作

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

シリコン基材料・デバイス、ゼロコンプライアンス機構,MEMSデバイス/ MEMS device


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

高崎 正也

所属名 / Affiliation

埼玉大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

鈴木 風摩

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-500:高速大面積電子線描画装置
UT-602:気相フッ酸エッチング装置
UT-604:高速シリコン深掘りエッチング装置
UT-900:ステルスダイサー
UT-851:機械特性評価装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

これまでに,ゼロコンプライアンス機構を活用した微小力測定が提案されている.ゼロコンプライアンス機構は一般的なバネと負の剛性のバネを直列に接続した構造となっている.負の剛性のバネはアクチュエータを利用し,荷重を与えた時に荷重と反対方向に力を発生させることで実現できる.両者の剛性の絶対値が等しければ,系全体の剛性の絶対値は無限大となり構造全体の長さは変化しない.一方で,2つの連結点は変位するため,この変位量により力を測定することができる.したがって,作用点と測定対象の距離を変化させずに力測定を行うことができる.先行課題では,MEMS技術を利用して,作用点質量・バネ・検出点質量・アクチュエータの直列接続で校正される1自由度のゼロコンプライアンス式微小力測定装置の製作が行われ,作用力を検出できることを示した.本課題では,これを2自由度に拡張することを試みた.

実験 / Experimental

並進と回転方向に荷重・変位を与えることができる2自由度力測定装置の製作を行った.設計・製作したデバイスを図に示す.その大きさは約6.8×3.6×0.2mmである.正のバネ,連結点となる質量,負のバネを直列接続した系を剛体に2か所並列接続した構成としている.剛体に並進荷重やトルクを与え,ゼロコンプライアンス機構の連結点となる各質量の変位を測定することで与えた荷重やトルクの測定が可能となる.実験では,2つの質量を駆動方向と垂直に板ばねを介して接続した構造を剛体と考え,これらの質量にそれぞれ荷重を与える.ゼロコンプライアンス機構が達成された際,作用点となる各質量は変位しない.ゆえに2つの質量をバネで繋いだ構造は力の作用により変形しない剛体とみなすことができ,剛体に荷重を与えた際と同様に荷重と力のモーメント測定が可能となる.

結果と考察 / Results and Discussion

アクチュエータは60本の櫛歯型電極4セットを1つのアクチュエータとみなし,合計で8つのアクチュエータを製作した.各アクチュエータの印加電圧の二乗と変位の比を計測した.片側0.4µmエッチングされると仮定した場合の理論値との差異が最大で13%程度でそのばらつきも大きくなった.また,装置を実際に外力を印加したところ,作用点質量・バネ・検出点質量・アクチュエータの配列方向と直交方向の変位が見られ,センサ.アクチュエータ用の櫛歯電極が正しく動作しない事象が見られた.2自由度力測定を可能とするためには,その直交方向の変位をできる限り小さくするための板ばね等の設計を改善する必要がある.

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fabricated device


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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