【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.04.27】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22UT1019
利用課題名 / Title
マイクロロボットの脚部を駆動する静電アクチュエータの作製に関する試行利用
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
膜加工・エッチング/Film processing and Etching,スパッタリング/Sputtering,EB,MEMSデバイス/ MEMS device,アクチュエーター/ Actuator
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
齊藤 健
所属名 / Affiliation
日本大学理工学部精密機械工学科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
森下克幸,榎澤瑠奈,木屋大地,田巻佑哉
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
安永 竣,三田吉郎
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
UT-500:高速大面積電子線描画装置
UT-703:8インチ汎用スパッタ装置
UT-602:気相フッ酸エッチング装置
UT-604:高速シリコン深掘りエッチング装置
UT-900:ステルスダイサー
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
ミリメートルサイズのマイクロロボットを駆動可能な静電モータの試作を行った。静電モータは櫛歯型の静電アクチュエータを4つ搭載し,中央のシャトルを尺取虫のように駆動する機構を採用した。静電モータの発生力を高めるためには、高速かつ大面積の微細パターンの描画が必要である。日本大学のクリンルームには高速大面積電子線描画装置が導入されていないため、全工程を東京大学武田先端知スーパークリーンルームにて実施した。
実験 / Experimental
[利用した主な装置]
8インチ汎用スパッタ装置, 高速大面積電子線描画装置, 高速シリコン深堀エッチング装置, 気相フッ酸エッチング装置, ステルスダイサー
[実験方法]
以下の加工プロセスで静電モータの試作を行った。
(1)8インチ汎用スパッタ装置を用いて、2 cm角のSOIチップにAl薄膜を成膜。
(2)チップ上にレジストOEBR-CAN040AE 6.0cPを塗布。
(3)高速大面積電子線描画装置を用いて、マスクパターンを露光。
(4)現像液NMD-Wを用いて現像。
(5)混酸Alエッチング液を用いて、Alをエッチング。
(6)高速シリコン深堀エッチングを用いて、Siをエッチング。
(7)気相フッ酸エッチング装置を用いて、SiO2をエッチング。
(8)ステルスダイサーを用いて、チップを分割。
結果と考察 / Results and Discussion
Fig.1に試作した静電モータを示す。静電モータの最小加工精度の1.6µmのパターンを高速大面積電子線描画装置で露光し、高速シリコン深堀エッチング装置を用いて最小幅1.6µm、深さ40µmのエッチングを行った。また、気相フッ酸エッチング装置を用いて、深さ4µmのエッチングを行い、ステルスダイサーを用いて2cm角のSOIチップを分割した。しかし、試作した静電モータはシャフトなど一部の箇所が駆動しなかった。シャフトなどの開口面が狭い箇所において、デバイス層および犠牲層のエッチング加工が不十分であることが原因だと考えられる。したがって、今後は高速シリコン深堀エッチング装置や気相フッ酸エッチング装置のプロセスの改良を行う予定である。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1 Photograph of prototype electrostatic motor
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
本課題は、三田 吉郎 基盤デバイス研究部門部門長を通じ、東京大学大学院 工学系研究科 電気系工学専攻 三田研究室 安永 竣 特任研究員より、装置の技術補助を受け遂行されました。この場をお借りして深く感謝申し上げます。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件