利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.30】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22AT0392

利用課題名 / Title

光量子集積回路製作に向けたSOIエッチングレシピの考案

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

光量子集積回路,SOIエッチング,細線導波路,単一光子,シリコン導波路,超伝導単一光子検出器,Si/SiO2選択比


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

島田 涼介

所属名 / Affiliation

産業技術総合研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-019:多目的エッチング装置(ICP-RIE)
AT-045:触針式段差計


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 光量子計算が古典限界を打ち破るためには、シリコン等の細線導波路を用いた光回路の集積化が有効な手段とされている。それに伴い、単一光子に感度を持つ光検出器と光導波路の高効率結合が課題となる。本研究では、シリコン導波路と超伝導単一光子検出器の結合系実装に向け、良質な光導波路の作成に取り組む。

実験 / Experimental

 初めに、多目的エッチング装置 【NPF019】 のレシピの考案を行った。導波路はSOI基板に描画するため、Si / SiO2の選択比が求められる。同時に、導波路の側面は垂直であることが望まれるため、エッチングの異方性が求められる。Si / SiO2の選択比を高めるには、炭素系ガスをレシピに用いることができない。一方、異方性を得るには、炭素系ガスを混ぜて側面に保護膜を張りながらエッチングする方法と、イオンの加速バイアスを変調させる方法がある。ここで、Si / SiO2選択比向上のため炭素系ガスを使わなかったとしても、強く加速されたイオンによる物理的なエッチングがSiO2も削ってしまうため、Si / SiO2選択比が低下してしまう。
 以上の背景を踏まえて、エッチングしたいSi活性層250 nmのうち、220 nm程度は炭素系ガスを含んだレシピで行い、残りの30 nmを選択比の高いガスで加速バイアスが小さいレシピでエッチングすることとした。
最後に、触針段差計 【NPF045】を用いて、エッチング量の計測を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

 SF6 + C4F8 の異方性レシピで213 nm, SF6 + Ar のSi/SiO2 高選択比レシピで 60 nm, 計273 nm のSiをエッチングするレシピを得た。同様のレシピでSOI基板 (Si活性層250 nm) をエッチングしたところ、250 nm のSi のみをエッチングできた。図1に触針段差計での測定結果を示す。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1:エッチング後SOI基板の段差測定結果


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

 今後、断面の垂直性の評価と、導波路の製作、及びTESを実際に乗せた実験を行っていきたい。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 島田涼介,三津谷有貴,福田大治, "Toward the realization of an on-chip photon-number-resolving detector with high detection efficiency", The 11th East Asia Symposium on Superconductor Electronics (EASSE 2023)(岡山), 2023年3月27日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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