【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.29】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22AT0305
利用課題名 / Title
スピントロニックテラヘルツ発生素子の作製
利用した実施機関 / Support Institute
産業技術総合研究所 / AIST
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
スピントロニックテラヘルツ発生素子,テラヘルツ分光装置,ファイバーレーザー
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
岡野 真人
所属名 / Affiliation
防衛大学校
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
須山 弘太
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
AT-025:スパッタ成膜装置(芝浦)
AT-023:電子ビーム真空蒸着装置
AT-045:触針式段差計
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
近年、強磁性金属/非磁性金属2層膜を利用したスピントロニックテラヘルツ発生素子が注目を集めている[1]。本素子は励起光源の波長によらず広帯域でのテラヘルツ波発生が可能なため[2]、発振波長1.5 μmのファイバーレーザーを用いれば、小型かつ高安定なテラヘルツ分光装置が実現できる可能性がある。そこで、本研究課題ではNPF所有の成膜装置を利用したスピントロニックテラヘルツ発生素子作製を試みた。
実験 / Experimental
成膜装置としては下記の2種類を用いた。
・【NPF025】スパッタ成膜装置(芝浦)
・【NPF023】電子ビーム真空蒸着装置
それぞれの装置を利用して、Fe/PtおよびNi/Ptの2層膜試料を作製し、自作のファイバーレーザーを光源に用いることでテラヘルツ波の発生を試みた。
結果と考察 / Results and Discussion
スパッタ装置を利用してFe/Pt試料を成膜する前段階として、それぞれのターゲットに対する成膜レートを求めた。図1に20 Wで20分間スパッタリングした際の膜厚を【NPF045】触針式段差計で測定した結果を示す。これらの結果から、20 Wにおける成膜レートはFe: 2.3 nm/min、Pt: 0.61 nm/minであることがわかった。ここで算出したレートを利用し、先行研究[2]にしたがって、MgO基板の上にFe 2 nm/Pt 3 nmの2層膜を成膜した。
作製した試料に対してファイバーレーザーを照射したところ、テラヘルツ波の発生は観測できなかった。
この原因としては、励起光の強度不足やFe/Pt界面のラフネスが考えられた。そこで、励起レーザーの改良を行うとともに、電子ビーム(EB)蒸着装置を利用することでラフネスが少ない2層試料の作製も検討した。実際に、EB蒸着を利用したNi/Pt薄膜試料の作製を行ったので、今後はレーザーの改良と併せて、素子の最適化を行っていく予定である。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1. スパッタ装置で成膜した(a)Feおよび(b)Pt薄膜の段差測定結果
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
参考文献(References)
[1] T. Seifert et al., Nat. Photon. 10, 483–488 (2016).
[2] E. T. Papaioannou et al., IEEE Trans. Magn. 54, 9100205, (2018).
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件