利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.29】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22AT0229

利用課題名 / Title

微細加工を用いたエレクトロスプレースラスタの作製

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

超小型衛星,小型エレクトロスプレースラスタ(electrospray thrusters),イオン液体,エミッタアレイ


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

新宮 拓実

所属名 / Affiliation

横浜国立大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-110:レーザー描画装置〔DWL66+〕


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 超小型衛星に搭載するための小型エレクトロスプレースラスタの作製を行った.Fig.1に 作製したエミッタアレイの概略図を示す.イオン液体がエミッタアレイの裏側から供給され,ディスタル電極とエクストラクタ電極の間に電圧を印加することで,エミッタからイオンを放出する.我々の先行研究では電極間距離が1 µmであったが1),本研究では10 µmとしたため,ディスタル電極とエクストラクタ電極の間に1 kV程度を印加することが可能である.許容印加電圧の増加により,より高い推力と比推力が期待できる.

実験 / Experimental

【NPF110】レーザー描画装置〔DWL66+〕

 Fig.2にSU-8エミッタアレイの作製工程を示す.
(a) SF6とO2を用いる反応性イオンエッチング(RIE)により,Si基板上にSiコーンを形成した.
(b) SiOエッチストップ層,SiNエミッタ部をそれぞれ化学気相成長法,スパッタリングで成膜した.SF6を用いるRIEにより,エッチバック技術を利用してSiNエミッタ部先端を開口した.
(c) SU-8の塗布・フォトリソグラフィを行い,開口パターンを形成した.
(d) 真空斜め蒸着でNiエクストラクタ電極を形成し,エクストラクタをパターニングした.
(e) 基板の裏面にスパッタリングでCrを成膜した.その後【NPF110】レーザー描画装置〔DWL66+〕を用いてパターニングしディスタル電極を形成した.
(f) 深掘りエッチングで基板裏面の開口,Siコーンの除去を行い,イオン液体リザーバを形成した.その後,緩衝フッ酸を用いたエッチングでSiO2を除去した.

結果と考察 / Results and Discussion

 Fig.3は全工程終了後のエミッタアレイ表面のSEM画像である.SU-8穴の中に,SiNキャピラリエミッタが確認できる.エミッタ間距離は30 µmである.エミッタの先端開口は径約1 µmとなっており,流体抵抗の観点で有効な寸法である.

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig.1   Schema of Emitter Array



Fig.2   Process of Emitter Array 



Fig.3  SEM mage of Emitter Array


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

参考文献:
1) K. Suzuki et al, Jpn. J. Appl. Phys., vol.60, pp. SCCF07-1–6, April 2021.


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 新宮 拓実,長尾 昌善,村上 勝久,村田博雅,鷹尾祥典, "Ionic Liquid Electrospray Ion Sources using SU-8 Photoresist for Microspacecraft Propulsion", THE 22ND INTERNATIONAL VACUUM CONGRESS IVC-22(札幌), 2022年9月14日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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